2018年10月24日水曜日

闘いなくして安全なし No.187

http://www.doro-chiba.org/ga/tn187.pdf


台湾特急列車脱線事故
200人以上死傷の大惨事
当該運転士はシフト管理担当者

 10月21日、台湾・宜蘭県で特急列車が脱線し、少なくとも18人が死亡、187人が負傷する大惨事が引き起こされました。「尼崎事故そのもの」というべき大事故です。

安全より運行優先―尼崎事故そのもの


 詳しい事故の原因などは調査中ですが、当該列車が突然の停止と発車を繰り返し、運転士はブレーキの不具合を複数回にわたって管理部門に訴えていたことが分かっています。
 しかし、管理部門は20分程の遅れの中で急ぐよう催促し、機器についても走行しながらチェックするよう指示したとされています。
 そして、制限速度75㎞のカーブに140㎞ともいわれる速度で進入し、8両編成の車両すべてが脱線。会社が安全より運行を優先して運転士を追い詰めた結果の大事故です。

「片手間乗務」は安全を崩壊させる

 事故の当該運転士は、普段はシフト管理を担当しながら、土日は応援業務として列車に乗務していたと報じられています。現場管理者だとすれば、JR東日本が乗務員勤務制度改悪として進めようとしている支社課員・当直(当務主務)・指導員らの定期乗務と同じことが行われていたと考えられます。
 遅延回復についても、普段は現場管理者だからこそ乗務員以上に指令の指示に逆らえなかったことは十分に考えられます。また、日頃から乗務している運転士がこんな状態の車両に乗務すれば車両交換を要求したはずです。しかし、土日だけ駆り出される管理者がそんなことを要求できるはずもありません。
 乗務員勤務制度の役割は、乗務員の健康や列車運行の安全を守るために、拘束時間や一継続乗務時間等を厳しく制限することです。
 それを、「資格さえ持っていれば誰でもできる」と片手間仕事として乗務労働を扱えば、鉄道の安全が守られるはずがありません。
 外注化やダイ改合理化で、すでに列車の不具合や遅延は毎日のように起こっています。加えて乗務員勤務制度改悪を強行すれば、間違いなく鉄道の安全崩壊を招きます。乗務員勤務制度改悪は絶対に認められません。

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