2013年5月13日月曜日

動労水戸 最高裁決定を守れ!

卑劣な証拠隠しを許さない
組合差別・被曝労働阻止の闘い進む
MTSの被曝労働容認を許さない

b807e3dd

動労水戸裁判「証拠隠し」するJRを追及

 4月19日、動労水戸は当該・三役がストに入り、水戸地裁での不当労働行為粉砕裁判に家族・支援者と共に参加した。
 裁判の現局面での攻防点は、夜勤・超勤手当について、会社側が「車両職や誘導・日勤職に相当する分を支払った」としていることに対し、組合側が「運転士であったなら得られた手当を支払え」と主張している点だ。組合代理人の松田生朗弁護士が、水戸支社における全運転士の超勤・夜勤手当の平均データ開示を求め、「会社の持つデータを開示すれば、会社側が最高裁判決をきちんと履行したのかどうかが即座にはっきりする」と主張した。会社はあくまでデータ開示を拒否し、脇裁判長も「出さないとおっしゃってるので…」と会社側に露骨に肩入れした。さらに、組合側の「超勤のない運転士はいるのか」との質問に対し、会社側弁護士は「わかりません」と回答し、傍聴席から「ふざけるな」と怒りの声があがった。
 東労組への露骨な昇進優遇策について、会社は問題の本質には触れず「人数が違う」などの揚げ足取りに終始している。会社が歴史的に「一企業一組合」を目指し組合差別を続けてきたこと、その具体的な証拠としてのJR経営陣発言について、「全く触れていないのは、認めるという事か」という質問に対しても、会社側は「国鉄とJRは別法人であり無関係」と発言し、法廷は怒号に包まれた。
 裁判後の総括集会では、会社側の不誠実な態度への怒りが口々に語られた。石井委員長は「組合差別は国鉄・JRを通して一貫して続いている」と述べ、職場闘争と一体で会社の責任を徹底追及する闘いを進めようと訴えた。

MTS団交被曝労働に対する無責任を追及

 4月23日、動労水戸は水戸鉄道サービス(MTS)と8回目の団交を行い、被曝労働問題について会社を追及した。
 交渉の中でMTSは「放射能の問題については国の基準(年間20ミリシーベルト)を踏まえて対応していく」と回答した。しかし、その基準の根拠については答えることができない。自らは何もせず、国の基準を丸呑みして対応すればいいという考え方だ。MTSには、強制出向に出された労働者だけでなく、多くの清掃労働者がいる。その労働者の健康と安全を、会社として守る義務と責任がある。鉄道の安全だけでなく、内部被曝から労働者を守るという当然の責任感さえないのである。被曝のおそれがある業務を請け負うかどうかについても、「問題がないと考えている」との回答だ。MTSは「どういう発注が来るかはまだわからない」とは言いつつも、自ら安全について点検しないという方針なのは、これまでのJRとMTSの態度を見れば明らかである。
 MTSは「放射線の数値はJRのものを信じるしかない。JRの計測で線量が低くなったのを見て安心した。MTS独自で線量を測ることはできない」とまで発言した。「親会社の言うことには逆らえない」という構造で、JR・MTS双方が責任逃れをする、外注化の根本問題がここにもあるのである。

 動労水戸は、労働組合として労働者と乗客の生命と健康を守る責任を果たすという立場から、外注化と被曝労働に対して絶対反対を貫いて闘ってきた。外注化とは、資本による労働者と安全の切り捨てであり、その先にあるのは労働者の「10割非正規職化」だ。大恐慌が世界を巻き込む中で、非正規雇用の問題は世界の労働者の共通課題になっている。外注化・非正規雇用も被曝労働も、国家や会社の「社会的責任の投げ捨て」としてあるのだ。
 誰かが助けてくれるのを待っていても、自分だけが上手く渡ろうとしても結局世の中は良くならない。国鉄分割・民営化から26年、労働組合幹部が裏切ったり、逃げたり、言い訳をしたりしてこれと闘わなかった結果、低賃金・非正規雇用がまん延してきたのである。それでも、「まだ日本の労働者の賃金は高い」「世界統一賃金で、年収100万円に」等と、労働者の生命と生活を限界なく切り詰めようとするのが資本だ。さらに、憲法を変え、再び天皇を「国家元首」に置き、憲法第9条を変えて戦争のできる国にして、貧困青年は兵隊に送り出せばいいというのが、今の安倍政権が進めている政策だ。それは、アメリカ社会の現実に他ならない。こんなとんでもない経営者たちや政治家どもに社会を動かす責任を任せておくことなどできない。
 労働組合を甦らせ、労働者自身の力で未来を切り開こう!動労水戸は、一人一人の労働者の存在と団結した力を活かす組合だ。27年間の闘いを通して、大組合の幹部の力ではなく、わずか40人足らずの組合が団結の力で仲間を守り、勝利を切り開けるということを、私たちは身をもって証明してきた。今こそ共に闘いに立とう!

ニュースへのリンク