出向無効確認訴訟
「協定拒否こそ仲間守り抜いた闘い」
「就業規則で強制出向」ならば何のための組合か!
5月8日、動労総連合の強制出向無効確認訴訟と動労千葉の鉄建公団訴訟が行われた。裁判に先立ち、動労千葉の「解雇撤回・JR復帰」署名1万6958筆を裁判所に提出した。
検修・構内外注化に伴う強制出向無効確認訴訟では、JR代理人弁護士が「出向は就業規則に基づいている。目的と必要性は明らかであり、出向者にも特段の不利益はない」と、手当廃止や年休削減、駐車場廃止などの労働条件の不利益変更、指揮命令系統の混乱と安全破壊、会社の組合無視を全面的に否定するとんでもない主張を行った。
これに対して石井委員長が意見陳述に立ち「本人の承諾もない、出向協定も結んでいないにも関わらずJRが出向を強行したことに怒りを覚える」と切り出した。そして、動労総連合が結成以来、なぜ出向協定締結を拒否してきたのかについて、組合側の主張を展開した。
さらに「運転士や検修の労働者を養成するには、外注会社からJRに逆出向させる必要がある。外注会社には体制も仕事も設備もないからだ」「昨年10月以来、一から十までJRの指示で作業が行われている。『発注書兼作業指示書』なる物が証拠だ。JRが作成して、それを外注会社に横流ししているだけだ。これが偽装でなくて何が偽装なのか」と厳しく指摘した。組合側弁護団からも、「どんな契約で業務を行わせているか明らかにしろ」と委託契約の開示を要求した。これに対してJR側は、委託契約に基づき指示していると自ら団交でも主張しているにも関わらず、「契約内容は出さない」と回答した。「やましいことがないなら明らかにしろ!」「そこで働く労働者を何だと思ってるんだ!」法廷は怒号に包まれた。
労働者の団結を破壊し、仲間を売り渡すことにつながるなら、労働組合は協約締結を断固として拒否すべきである。総合労働協約を結ばない動労水戸に対し、会社は組合掲示板の設置や団交の勤務解放を認めないなどの不利益を強制し続けている。さらに動労千葉に対しては、シニア制度による定年後再雇用を適用しないという攻撃をかけ続けてきた。しかし、組合員を守るために民営化・外注化と強制出向に対して絶対反対を貫くため、私たちは総合労働協約を結んでこなかった。その成果として、これまで動労総連合は本人同意のない出向を阻止してきたのだ。労働協約で出向を強制させられないことに焦った会社は、「協約がなくとも就業規則で出向させられる」と昨年10・1外注化を強行した。これは「労働協約は就業規則よりも上に立つ」という労働法の建前すらひっくり返すデタラメ極まる施策に他ならない。現場労働者の怒りと闘いで断固粉砕あるのみだ。次回公判は7月3日(水)14時。さらに結集を拡大し闘おう。
動労千葉鉄建公団訴訟
証人採用認めず結審強行の東京地裁弾劾!
同日の「国鉄分割・民営化による解雇の撤回」を求めた動労千葉鉄建公団訴訟は、一審判決で裁判所も認めざるを得なかった「改革労協(現JR総連・東労組)の要請による採用名簿からの排除は不当労働行為」という認定から、動労千葉組合員の解雇撤回を求める裁判である。組合側弁護団は、動労千葉組合員を採用名簿から外した張本人である葛西敬之(現JR東海会長)ら3名の証人採用を強く要求した。これに対し難波裁判長は証人採用を何の説明もなく却下し、「(裁判所の考えは)判決で明らかにする。判決は9月25日」と一方的に裁判終結を言い渡した。絶対に許せない!
動労千葉鉄建公団訴訟は、国鉄分割・民営化そのものの不当性を問う裁判として闘い抜かれてきた。一審の判決は「不当労働行為は認めるが解雇撤回は認めない」という矛盾に満ちた判決だった。動労千葉の闘いの正当性がJRと裁判所を追いつめた結果だ。国鉄分割・民営化による労働組合破壊と解雇の自由、外注化・非正規職化によって、労働者が生きていけない社会がもたらされた。労働者を守る当たり前の労働運動の復権こそ、民営化・外注化への回答なのだ。
動労千葉が呼びかける「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名を拡大し、国鉄闘争全国運動6・9全国集会への大結集を実現しよう。外注化・強制出向と闘い、裁判闘争を職場闘争と一体で進めよう!
国鉄闘争全国運動6・9全国集会へ