2013年8月1日木曜日

外注化阻止ニュース 第81号

外注化阻止ニュース第81号

 

高速ツアーバス規制強化で事業撤退6割
規制緩和は安全を破壊

 去年4月の関越道ツアーバス事故後、国は安全対策を強化し、8月以降、高速ツアーバス制度は廃止となり「新高速乗合バス制度」が始まりました。
 これまでツアーバスを企画する旅行会社は事業許可が不要で、安全の責任を負っていませんでした。このため旅行会社がバス会社に無理な運行を押し付け、下請けのバス会社が危険を承知でバスを走らせることが日常化していました。事故後の監査でバス会社300社の8割以上で違反が発覚しました。
 今回、規制が強化され、高速ツアーバス制度そのものは廃止となり、ツアーを企画し、客を集める会社が、運転手の健康管理といったバスの運行についても責任を持つことになりました。停留所の設置も義務づけられました。運転距離も制限されたのでバス会社も運転手の増員などが必要となります。

規制強化で6割撤退の意味

 今回の規制強化で高速ツアーバス286社のうち、高速バスとして事業を継続したのは111社、全体の約4割です。報道では帰省ラッシュ時のバス不足が問題になっていますが、驚くべきことは、わずかな規制強化で6割も事業撤退することです。
 国土交通省が進めてきた規制緩和がいかにでたらめで安全崩壊をもたらしていたのかを示す重大な問題です。
 00 年に道路運送法が改悪され、参入規制が免許制から許可制に緩和されました。貸切バス事業者は、99年度の2336社から10年度の4492社に倍増しました。バス1台当たりの営業収入は8割弱に減少しました。
 関越道バス事故は文字通り規制緩和がもたらした事故でした。規制緩和が人命を奪ったのです。規制緩和や外注化と闘うことが安全を守る道です。

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