放射能汚染水の海洋投棄を許すな!
放射能汚染水の海洋放出を狙う東電・安倍政権を一日も早く打倒し、労働者・民衆の力で福島第1原発事故の収束と廃炉に着手せねばなりません。
その第一歩として、汚染水処理の責任を放棄し虚偽の情報を垂れ流し、予想される致命的な海洋汚染を傍観してでんとして恥じない東電・安倍政権に対し、全世界から緊急の弾劾メッセージを集中してください。
事故直後から解けた核燃料の「冷却」が行われています。しかし溶けた燃料がどこにあり、またそのどの部分を「冷却」しているかも分かっていません。結果として事態が劇的に悪化していないので、「冷却」を続けているに過ぎないのです。
当然ながら、増え続ける汚染水の再利用が立案され、放射性セシウムと塩分(メルトダウンを阻止するため原子炉に海水が注入された)を除去する試作の「装置」が設置され、冷却水の再利用が始まりました。
しかし当然のことですが、地震で破損した原子炉建屋の地下構造体(ここに高濃度汚染水が落下してくる)に、日に400トンもの地下水が流入していることが判明しました。
これに対して東電の取った応急対策(まさに応急だ!)は、以下の二つでした。
①汚染水をためる地上タンク群の建設
②“アルプス”なる「多核種除去装置」の設置と、トリチウムのみとなると予定されている処理済み汚染水をためる貯水池の設置(「多核種除去装置」の性能は、大規模運用で実証されているわけではありません。また東電は、トリチウムを含む処理済み汚染水の放出は「海水で薄める」ことで漁民を説き伏せようとしています)
しかし“アルプス”は未だ稼働せず、東電はやむなく貯水池(何層かの防水シートで内張りした単なる「ため池」)に汚染水そのものを注ぎ込みました。そして当然ながら漏水が起こり、汚染水が地下に漏洩しました。
無報道をこととするマスコミもこの事態を公にせざるを得ず、東電は急ピッチで地上タンク(何とその構造は、溶接ではなくボルト接合!)を増設し、汚染水を移送しました。
地下水は、福島第1原発の西側(山側)から原発敷地内を通り、東画の海に流れ出ます。追い詰められた東電の次の応急策は、以下の二つでした。
①山側から流入する地下水の一部を海に放出(地下水バイパス)し、原子炉建屋に流入する地下水を減少させる。
②原発の海側に地下遮水壁(水ガラスを注入して地層を固めるという簡易遮水壁)を設置する。
しかし、①のバイパス地下水には、上記の貯水池から漏洩した汚染水が流入している可能性が高く、その海洋放出に対しては、漁民から嵐のような反対が叩きつけられています。
そして、②の地下遮水壁をなぜ原発の山側に設置しなかったかについて、東電は、唯一「コストがかかりすぎる」と放言していたのです!
行き場を失った汚染地下水の水位がどんどん上昇しています。穴の開いたバケツに水を注いでいる蛇口を絞らずに、底に開いた穴を塞いでいけば、バケツの水位が上がり、水が溢れるのは当たり前のことです。
東電・安倍政権は打つ手を失い右往左往しています。しかし新自由主義に取りつかれた彼らは、福島の人民がどうなろうと、世界の海がどのように汚染されようと痛痒の一かけらも感じません。むしろこれを好機となして、莫大な「復興」事業で暴利を貪り、農業・漁業をはじめ労働と産業の根底を解体するTPPを推進し、原発の再稼働と輸出に血道を上げています。
事故収束のため奮闘する現場労働者の次の言葉に、なんとしても応えて行かねばなりません。
“F1(福島第1原発)収束作業は東電から切り離し、国主体で「F1収束作業で少しでもリスクのあるものには予算をかけてでも最高の対策をしろ」ってならないとダメだと思う”
DCQR No.55で報じたように、7月16日、動労水戸は被曝汚染列車の交番検査を阻止するストライキに立ちました。そして交番検査の実施を事実上粉砕しました。被曝労働を現場の団結した力で阻止して行くこの最先端の闘いと連帯し、私たちは、被曝労働を拒否する闘いを全国のあらゆる職場に拡大して行きます。この闘いの中から、安倍政権の打倒と、被曝労働を不可避とする全原発の廃炉の展望を開いていけると確信しています。
全世界の労働者・人民のみなさん!
上記のような東電・安倍政権の悪魔のような所業に対し、下記宛先に徹底弾劾の抗議文の集中をお願いします。
また抗議文は、別途私たちへemailにて送付いただきたくお願いいたします。みなさんの抗議文が、私たちの闘いにとって大きな激励・支援となることは間違いありません。
内閣総理大臣・安倍晋三: https://form.cao.go.jp/kokusai/en_opinion-0001.html
原子力規制委員会委員長・田中俊一: qainfo@nsr.go.jp
東京電力株式会社社長・廣瀬直己: https://www4.tepco.co.jp/en/other/contact/general-e.html
PS:
①安倍首相は、8月6日広島で開催された68年目の原爆投下の記念式典に参加した。そして、「全ての原発を廃止してほしい」と切に訴える高齢の被爆者を前にして、あろうことか「安全性確保を最優先し、エネルギーの安定供給とコスト低減」の観点で原発を推進すると言い放った。
「全原発廃炉・核廃絶」を掲げて結集した労働者・人民は、この「命よりカネ」が全ての安倍に対し激しい弾劾の嵐を叩き付けた。(詳細後報)
②この国際アピールを翻訳中に、驚くべき事態が公にされた。「原子力ムラ」の元締め、原発推進の最先兵である経済産業省が、「汚染水は一日約300トン海洋へ流出している」と発表したのだ。2011年3月のメルトダウン後さほど時間を絶たない時期から、京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏などが、「直ちにNo.1からNo.4原子炉建屋を囲む地中遮水壁を設置すべき」と進言して来たが、歯牙にもかけなかった経済産業省がである。
「国家を統治する能力」すら喪失し、全世界の労働者・人民の敵として自らを晒す安倍政権を打倒する闘いに、全世界の友人たちの支援の下、私たち日本の労働者・人民が持てる力を振り絞って立つときが来た。
2013年8月8日
動労千葉国際連帯委員会