2015年7月9日木曜日

日刊動労千葉 第7936号

最高裁上告棄却決定に対する弾劾声明

2015年7月6日

国鉄千葉動力車労働組合顧問弁護団

最高裁判所第三小法廷は、2015年6月30日付で動労千葉1047名裁判の当該上告人高石さん中村さんら9名について上告棄却決定を下した。同時に鉄建運輸機構側に対しても上告棄却決定を下した。東京高裁判決の重大な憲法違反に対する審理を怠った違法、不当な反動判決であり、強い憤りをこめて弾劾する。
この決定により、2013年9月25日の東京高裁難波判決が確定した。
2012年6月29日の東京地裁白石判決に続き、東京高裁難波判決は、1987年2月に国鉄当局が策定したJR採用者名簿の不記載基準(不採用基準)が国鉄分割・民営化に反対する動労千葉をはじめとする労働組合に所属すること自体を不利益に扱う不当労働行為意思の下に策定されたものであること、JRに採用せず清算事業団送りにしたことが不当労働行為であることを明確に認定し、損害賠償金の支払いを命じた。不採用基準に基づいて労働者をJRに不採用としたことを、不当労働行為として断罪したことは、国鉄分割・民営化関係裁判闘争で唯一の画期的判決である。
この闘いは、国鉄闘争全国運動に結集し、10万筆署名を最高裁に突きつけた労働者、農民、学生、市民の団結の成果である。
しかしながら上記判決は、不当労働行為を認定しながらも大原則である原状回復すなわち解雇撤回、JR復帰を認めなかったことは、反動判決というべきである。高裁難波判決に対する上告審の最高裁で、我々は、国鉄の採用者名簿の作成、国鉄とJRとを別法人と規定した国鉄改革法自体が労働三権を保障した憲法28条、適正手続を保障した憲法31条に違反する法律であること、名簿不記載基準(不採用基準)が国鉄幹部葛西、井手と新会社(JR)設立委員会委員長斎藤英四郎らとの共謀によって策定された事実を議事録等で実証し、JRに法的責任があること、この国家的不当労働行為に対しては大原則に基づいて当該上告人の解雇撤回、JR復帰以外にないことを実証、論証した。
それにもかかわらず、最高裁第三小法廷は、この当然の道理を直視し、適正・公正に審理すべき憲法上の義務を怠って、上告人の主張を単なる事実誤認、法令違反の主張であると歪曲して判断を回避した。まさに、司法の任務を放棄したものとのそしりを免れない。ただし、当然にも不当労働行為の事実そのものは、否定することができなかった。
最高裁の本件決定は、中曽根新自由主義政権の下で、国鉄当局、設立委員会が強行した違憲の暴挙を容認するものであり、その判断回避、反動的態度に対して、強く弾劾する。
われわれ弁護団は、国鉄闘争全国運動に10万1235筆に達する署名をもって結集した全国の労働者、農民、学生、市民の皆さんと固く団結して安倍を打倒し、改憲阻止、第2の分割民営化・外注化、戦争法案・現代の治安維持法を粉砕する闘いに決起し、動労総連合の全国的結成とゼネストを打ち抜く階級的労働運動の高揚の中で高石さん、中村さんら9名の解雇撤回、JR復帰を勝ちとるために連帯して闘う決意をここに表明する。

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