世界で労働組合結成が活発に
Amazon・アップル・スタバ・グーグル…
「労働組合の歴史的転換点」と注目
世界で労働組合をつくる動きが活発になっています。4月1日、ニューヨークのアマゾン物流倉庫で労働組合ができました。
米国では労働組合をつくるには、職場で働く人の30%以上の署名を集めて、投票を実施し、過半数の賛成が得る必要があります。日本とはかなり違う制度です。
今回の投票結果は「2654対2131」となり、賛成が55%を占めて労働組合の結成が認められました。
会社は総力で組合結成を妨害
実はちょうと1年前にも同じようにアマゾンで労働組合をつくる動きがありました。会社は組合をつぶすために弁護士やコンサルタントを使って、組合加入のデメリットを説明する会合に従業員を参加させ、反対ポスターをいたるところに掲示しました。
さらに、投票箱を監視カメラが映る場所に設置して、従業員に恐怖を与えたのです。いかにアマゾンが労働組合に対して敵意を持っていたのかが分かります。
しかしこうした会社の妨害を打ち破ってついに労働組合ができたのです。このことは「労働運動の歴史的転換点」として注目を集めています。
6月18日にはアップル直営店でも投票の結果、労働組合が生まれました。スターバックスでは昨年のクリスマスの時期に初めて労働組合ができました。それから半年間で150店舗で労働組合が結成されました。
富裕層の富独占に対する抵抗
米国では一握りの富裕層が社会の富を独占し、「会社は株主のもの」とする考えが支配的でした。これに対する抵抗が始まっているのです。
いま労働組合をつくろうと呼びかける人びとの間では「人生1度きり」という言葉が流行語になっているそうです。1度きりの人生なのに低賃金の職場で先の見えない仕事を続けることに疑問を抱く人びとが増え、「1%の富裕層」に対する「それ以外の99%の人びと」の怒りなのです。
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