2012年10月20日土曜日

動労水戸 「運転のプロ育成」は破綻している!

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平成採の力でライフサイクル撤廃を

 来年2月の発令に向けて、ライフサイクルの面談が始まっている。「ライフサイクル深度化」制度は、「運輸のプロを育成する」と称して労働者の団結を破壊し、会社の言うことを聞く従順な労働者を作ることを狙っている。どこの駅に配転するかも、駅から運転士に戻る時期も、そもそも運転士に戻れるかどうかも会社が決定権を握っている。ライフサイクルは同時に、駅の外注化を進めるための施策であり、10月1日に強行された検修・構内部門の外注化や、駅におけるグリーンスタッフ=有期雇用労働者の導入と一体の、労働者全体を非正規職化する攻撃だ。今年8月に動労水戸に加入した平成採の運転士である羽部圭介組合員に、制度の問題点を語ってもらった。

「ライフサイクルは運輸のプロ育成のため」はウソだ!

 まずはっきりさせたいことは、ライフサイクル制度の対象者のほとんどは「駅には行きたくない」と思っているということです。労働者は会社の都合で動かせる将棋の駒ではありません。ライフサイクルで駅に行った人と行かなかった人の間で人間関係がギスギスするということも起きています。
 問題はJR東労組の態度です。そもそも労働組合として、多くの対象者が反対している制度をなぜやろうとするのか。会社は当時「通常の人事異動で行える」と強弁していましたが、東労組は「対象者の多くが反対している」と会社に言いませんでした。当時の会社と東労組のやり取りを見て、結論ありきの議論に感じました。
 そもそも会社は「運転士に駅の輸送職を経験させることで、運輸のプロを育成する」と言っていますが、その一方、妥結した東労組との覚書すらきちんと守っていません。乗務線区以外の駅に配転された運転士もいます。また、運転を扱っていない常磐線柏駅に配転になった人もいます。輸送業務とは関係のない営業主任として発令された人もいます。会社の言う「運輸のプロ育成」はウソだったということです。仮に東労組の方から組合案を作るなら、運転士に頼るのではなく、運転士になる前の駅勤務の時に輸送職を経験してから乗務員になれるような制度を提案すべきだったのではないでしょうか。今の制度はこの真逆のことをやっています。運転士は輸送職の仕事ができるからというだけの理由でやらせているとしか思えません。
 また現実問題として、ライフサイクルで行かされる駅の要員に対してライフサイクルの対象になっている運転士の数が多すぎるということが起こっています。ところが会社は「40歳までに運転士全員をライフサイクルに行かせる」という目標を達成するために、ここ数年は無理やり対象の駅を増やすようなこともやっています。ライフサイクル制度そのものを撤廃すればいいだけの話なのに本末転倒です。運転士から駅への配転は本人が希望したときだけ行えばいいと思います。

団結した労働者はとてつもない力を発揮できる!

 制出向で、JR社員でありながら制服を変えられ、同じ仕事をしながらノウハウの無い「違う会社」に作業指示されています。職場で働いてきた仲間がみな落ち込み、怒っている。絶対に許せない!しかし、どれだけおかしな事でも、「会社の進める施策は変えられない、逆らうよりも条件を引き出すことが労働組合の常識」とされてきました。しかし、多くの青年労働者が押さえ込まれている「外注化と出向はおかしい」「ライフサイクルに行く必要があるのか」という思いこそ正しいのであり、そこに立つことこそ労働組合の本当の役目ではないのか?
 現在、米国発の世界大恐慌が欧州に波及し、世界の労働者に対して外注化・非正規化・首切りの嵐が吹き荒れています。それは、中国や日本経済を直撃しています。日本で進められている外注化・非正規職化も、この世界大恐慌の中で進められているのです。世界と国内の動きを見れば、JRの外注化は、「戻ることのない全面外注化」の開始であることが歴然とします。しかも、こうした外注化や転籍・非正規化が、労働組合の屈服と協力によって進められてきたこともです。そして、時代の本当の流れは、こうした「闘ってもムダだ」という会社や闘えない労働組合を乗り越えて、青年を先頭に労働者がハラを固めて立ち上がってきていることにあります。青年の怒り、労働者の怒りに立ち切れない労働組合や人間こそ「時代遅れ」の「反動」になるのです。
 動労水戸の外注化反対のスト破りを拒否し、スト破りを徹底弾劾し、出向事前通知の受け取りを拒否した青年たちの怒りは、10・1外注化強行などでは決して折られてはいません。ライフサイクルも、外注化も青年への分断であり団結破壊だ。動労水戸は、ライフサイクル絶対反対の運転士羽部君と検修外注化絶対反対の照沼君の青年2人が固く団結する組合だ! 動労水戸は一切の不正を許さず青年の立場でとことん闘い抜くことを宣言する!

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