“ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会”で
闘うランク&ファイルの労働者たち
メーデーと6・10 国鉄集会で連帯声明の交換
いまベルリンでは、「都市鉄道」(ベルリンと周辺都市間を結ぶ鉄道網)を民営化する計画が推し進められているが、これに反対する鉄道労働者が、GDL(ドイツ機関士労組)をはじめ組合をこえて広範な行動委員会をつくって闘っている。彼らとの国際連帯は、昨年8月の動労千葉国際連帯委員会と全学連の訪独以来のことであるが、今年のメーデーと6・10 国鉄集会では心温まる連帯声明の交換にまで発展した。6・10 集会への連帯声明では、次ページに紹介するような熱烈なアピールが寄せられた。
その行動委員会の中心は、GDL(ドイツ機関士労組)の現場組合員であるが、GDLとはどのような組合だろうか。
「ストライキ共和国」の原動力
GDLの組合員は、2007 年の7月から翌年1月の約半年のストライキによってドイツ階級闘争の前面に出た。「30%の賃上げと労働時間の短縮(週41 時間を40 時間へ)」という要求を掲げて、数次にわたるストライキを闘いぬき、都市交通・近距離交通・貨物輸送から、ついに全ドイツの交通を揺るがす62 時間全面ストまでも貫徹して、ドイツ鉄道(DB)と対決しぬいた。
ドイツ経団連はマスコミを総動員して「ドイツ経済の国際競争力が損なわれる」と恫喝した。ドイツ労働総同盟(DGB)も他の二つの鉄道労組も、GDLのストを非難し、スト破りさえも指令した。
だが、鉄道労働者はこのストを圧倒的に支持した。「鉄道の要員は1994 年から2006 年に半分になった。実質賃金は大きく低下し、労働条件は激しく悪化した。一方、ドイツ鉄道の企業利益は05 年-07 年に3倍化した」という攻撃への怒りが高まっていたからだ。
鉄道ストは、労働者階級に巨大な衝撃を与えた。
多くの職場から「おれたちも続くぞ」「打撃を与えてこそストライキだ」と檄文が集中した。各地のさまざまな労働組合の支部が本部の制止をふりきって、連帯デモ・集会をおこなった。マスコミさえ、「通勤客は60%が支持」と伝えざるをえなかった。
そして、この労働者の大衆的圧力のもとで、ドイツ労働総同盟内最大の労組である統一サービス労組(ver-di)が、ストにふみきらざるをえなくなった。その結果、「ドイツ・ストライキ共和国」と呼ばれる情勢が生まれた。
ドイツ労働者とともに11 月集会に参加しよう!
1994 年、東西ドイツの国有鉄道が統合され、「全株政府所有の株式会社」としてドイツ鉄道(DB)が発足した。そして、株式売却による完全民営化を狙って、鉄道業務の細分化・分社化(外注化)による鉄道・運輸労働者の分断の攻撃がかけられてきた。GDLの戦闘的なランク&ファイル運動は、民営化と分社化に反対し、また部門ごとに分断された子会社の壁をこえて、統一〔賃金〕要求を提出し、鉄道・運輸労働者の階級的団結を維持・回復することを軸にして闘って来た。
この闘いは、欧州危機と内外の争闘戦の激化に直面して、あくまでも新自由主義の民営化攻撃に延命の道を求めるドイツ支配階級との正面対決になっており、ドイツ階級闘争の中軸だ。
GDLなど鉄道労組の組合員がつくった“ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会”が今回、11・3国際連帯集会と11・4労働者集会に参加する。ともに闘おう!