改憲と戦争、民営化と労働法制改悪と闘う1万人行動
実行委員会ニュース 2017年9月22日(第8号)
連合の崩壊・再編情勢
働き方改革法案めぐり混乱する連合②
働き方改革法案めぐり混乱する連合②
連合崩壊情勢は改憲と戦争情勢が生み出した
安倍・逢見が主導した連合の残業代ゼロ法容認は一旦撤回せざるを得なくなりました。10月には逢見事務局長が次期会長になる人事が内定していました。そこまで待てば、強引にでも進めることは出来たはずです。
9月28日からの臨時国会に自民党の改憲案を提出し、来年の通常国会で改憲を発議する。そのためには、10月から残業代ゼロ法を検討していたのでは間に合わない。そこで臨時国会前に残業代ゼロ法の議論にケリをつけ、10月以降は改憲一本に絞って進めようとした。
一連の事態は、連合に改憲の旗を振らせるための「改憲プログラム」だったのです。
安倍首相と逢見の改憲プログラムは一旦頓挫
そこまで待てなかった背景には、安倍首相の「2020年新憲法施行」宣言があります。
連合幹部の主流は、「改憲は現時点では時期尚早」といい、まともに反対しようとはしません。残業代ゼロ法に反対といいながら、現実の長時間労働は容認し続けています。企業の営利追求のために、人員削減や労働強化といった合理化攻撃に積極的に手を貸し、労働者の権利を売り渡してきました。
しかし、必ずしも自民党と一体だったわけでもありません。改憲と労働法制改悪に突き進もうとする安倍政権にとって、こんな中途半端な態度はもう認められなかった。連合を「産業報国会」化し、労働組合自身に改憲・戦争や労働法制改悪を積極的に推進させる。その先兵がUAゼンセンなのです。
09年9月、産経新聞労組が当時のUIゼンセン同盟に加入。14年11月の産経新聞紙上での櫻井よしこによる「憲法改正を高らかに支持したUAゼンセンは官公労と決別し、連合を分裂させよ」という訴え。15年6月、安倍首相と当時UAゼンセン会長だった逢見との極秘会談。すべての動きがUAゼンセンと安倍政権とが一体で進んできたことを示しています。
しかしUAゼンセンを使った改憲プログラムは一旦頓挫したのです。
働き方改革一括8法案はもう一つの改憲攻撃だ!
連合幹部とはいえ、安倍・逢見による連合の乗っ取りまで容認することはできませんでした。そこには改憲・戦争と同時に、「もう一つの改憲」というべき労働法制改悪攻撃の激しさが表れています。
安倍政権の「働き方改革」は、これまでの雇用のあり方を抜本的に解体しようという攻撃です。正社員ゼロ、総非正規職・解雇自由化、8時間労働制の最後的解体……。さらには「多様な働き方」と称して、労働者一人ひとりを「個人事業主」として扱うことで労働基準法や最低賃金も無視した働かせ方の拡大も狙われています。
「正規職」を一応の基準としたこれまでの労働のあり方を根本から破壊し、社会のあり方を大転換させる重大な攻撃です。
これは大企業・正社員を中心とした連合主流の組合にとって自らの存立基盤が奪われることを意味します。逆にUAゼンセンは約半数が非正規労働者であり、女性労働者も約半数を占めています。「働き方改革」によって、非正規労働者の反乱を抑え込む役割を一手に担うUAゼンセンの役割はより重要になります。
これまでの労働者支配のあり方が崩壊し、改憲・戦争に突き進んでいく。その中で、連合の分裂・再編が始まっています。
日本の労働組合の歴史で、ナショナルセンターの再編はこれまで3度しか起こっていません。
1940年、すべての労働組合が解散して産業報国会が結成され、第2次世界大戦に突き進んだ時。50年、朝鮮戦争を前に産別会議が解体されてGHQのテコ入れで総評が結成された時。89年、国鉄分割・民営化の結果、総評が解散に追い込まれて連合が結成された時。いずれも歴史の重大な転換点で起きています。
今回、連合の崩壊・再編は、改憲情勢が生み出した歴史的な事態です。それは、あらためて労働運動をめぐる闘いが本当に重要な意味を持つということです。後退を続けてきた日本労働運動をもう一度甦らせる決定的なチャンスがやってきたということでもあります。
闘う労働運動の復権に向け、11・5全国労働者総決起集会の1万人結集を実現しよう。
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