2018年9月7日金曜日

日刊動労千葉 第8505号

東労組の裏切り妥結弾劾!
9/4動労総連合 新たな申入れ行う

闘いはこれからだ!
乗務員勤務制度改悪阻止へ全力で闘おう


 8月30日、東労組は乗務員勤務制度改悪提案について裏切り妥結した。この提案は、乗務員勤務制度を根本から解体し、殺人的な労働強化と人員削減を狙う攻撃だ。鉄道の安全を解体するものだ。それを労働組合自ら認めるなど、絶対に許すことはできない!

これが労働組合の姿なのか?

 東労組の最終的な要求は、団交での会社回答をなぞるような内容であり、要求ともいえない要求だった。唯一、要求といえるのは行先地手当支給を求めた部分だけだったが、会社に拒否されたまま、あっさりと妥結した。
 この重大な攻撃を前に、声をあげることもできずに会社の言うことを聞くだけなら、何のために労働組合が存在しているのか?
 今回の妥結は、会社の激しい切り崩し攻撃に耐えて東労組に残っている現場組合員への度し難い裏切りだ。そして、全JR・関連会社の労働者の権利を売り渡す犯罪行為だ。
 東労組の中で職場や労働組合について真剣に考え努力してきた組合員の脱退も相次いだ。それは何より、本部や地本の役員たちがすべて会社に依拠して組織と自らの地位を維持してきたことが原因だ。その反省に立つなら、必要なのは会社にひれ伏すことではない。

問題は何一つ解決していない!

 これまでの交渉でも問題は何一つ解決していない。われわれ動労総連合は9月4日、新たな申入れを行った。

①会社は拘束時間延長と実乗務増を提案しているが、行うべきは行路緩和だ。
 乗務中に倒れる仲間が相次ぐなど、乗務員の労働強化はすでに限界だ。しかし、会社は「働かせすぎではない」「明けで13時退勤は問題ない」「明けの超勤で短時間行路」「全員が健康に乗れる行路にする要員は取らない」など、乗務員を人とも思わない態度だ。
 これまで泊行路の明け部分が日勤並に長大化されてきた。それに加えて、超勤で短時間行路に乗務させるなど、乗務員に「死ね」というようなものだ。絶対に許されない。
②支社等の「片手間乗務」は鉄道の安全を破壊する。会社は乗務した日でも、「必要があれば当然超勤してもらう」と回答している。
 早朝に乗務した後、支社に戻って夜まで超勤する。ダイ改で多忙を極める中で指導員が乗務させられる。凄まじい長時間労働だ。
 乗務中も「なぜ乗務しなければならないのか」という思いを抱えざるをえない。生み出されるのは過労死と安全の崩壊だ。
 また、乗務員勤務でない者が定期列車に乗務することは、乗務員という考え方の解体につながる。絶対に認めることはできない。
③会社は、「支社等が乗務すれば、標準数100に対し本線乗務員は90人でいい」などと、短時間行路設定と支社等の乗務を要員削減に利用することを隠そうともしていない。
 しかも、今でさえ輸送混乱時に人が足らず、交代要員が確保できないということが起こっている。現在は指導員が対応する場合もあるが、定期行路への乗務で業務量が増えれば、それも困難になる。会社は「本線乗務員の予備や休日勤務で対応できる」というが、その本線乗務員も減らすといっているのだ。結局、「大丈夫」とする根拠は何も示されていない。

職場からともに声をあげよう

 われわれはこの提案を認めることは絶対にできない。乗務員の労働条件と鉄道の安全、全JR労働者の権利を奪う攻撃だからだ。
 この攻撃を打ち砕く力は職場からの団結した闘いの中にある。一人ひとりの労働者が声をあげることは、間違いなく大きな力になる。
 闘いはこれからだ。すべての仲間は動労千葉とともに乗務員勤務制度改悪反対の声をあげよう。職場に闘う労働組合をとり戻そう。




「乗務員勤務制度の見直し」等に関する申し入れ(その3)

1.「乗務員勤務制度の見直し」及び「賃金制度の改正」提案が、業務外注化の拡大や別会社化とリンクするのかどうかを明らかにすること。

2.「多様な働き方と効率性」について、次の点を明らかにすること。
 (1)支社課員等は、本来業務の片手間で乗務することになるが、こうした乗務のあり方は本人への負担が増し、乗務に集中できない等、乗務労働になじまないものであり、事故を招く危険性が高まると考えるが、会社の考え方について。
 (2)様々な技術革新がすすむ中で、乗務員等の業務も緩和・軽減されなければならないと考えるが、会社の考え方について。

3.乗務労働を緩和するために、次のとおり制度を改善すること。
 (1)一般線区にも拘束時間の制限を設けること。
 (2)在宅休養時間を確保するため、前夜出勤・後夜退勤の日数に制限を設けること。
 (3)行先地の時間について、疲労回復、前途乗務の心身の準備としての位置づけを明確にした乗務中断の時間を確保すること。

4.この間の団交で会社は、「『輸送サービススタッフ』というイメージは、会社が目ざす方向性を示した」と回答しているが、乗務員の将来のあり方及び鉄道業務の将来展望について具体的に明らかにすること。

5.「国鉄採が退職する中で業務が成り立たなくなるため、効率化を進める必要がある」と回答しているが、今後の合理化施策に関する考え方を具体的に明らかにすること。

6.「拘束時間の拡大」について、次の点を明らかにすること。
(1)出勤・退勤時間の拡大を招くことになると考えられるが、会社として出勤・退勤時間を制限する考えがあるのかについて。
(2)実労働時間及び乗務キロの拡大につながることに伴い乗務員の肉体的、精神的負担が大きくなるなど運転保安上の重大な問題が発生すると考えるが会社の考え方について。

7.団交において会社は、「明けで乗務してもらうことがある」「支社の人について乗務後も必要により超勤を指示する場合がある」等と回答しているが、こうした考え方は、勤務終了後も乗務労働を行うことを前提にした勤務につながると考えるが、会社の考え方を明らかにすること。また、次の点を明らかにすること。
 (1)支社課員、指導員、当務主務に短時間行路を乗務させる場合の在宅休養時間の考え方について。
 (2)支社課員が乗務した後、支社に移動する場合の労働時間の考え方について。

8.睡眠時間について、「5時間以下の睡眠時間は飲酒運転と同じ」との調査結果(米国自動車協会)が報告されている状況の中で、「4時間30分程度」の睡眠時間では安全を確保できないと考えるが、会社の考え方を明らかにすること。

9.「標準数」について次の点を明らかにすること。
 (1)「支社の人も含めて考える」「100名だとすると今後90名でもいい」と回答しているが、職場には予備要員等を配置しなければならないなど、行路数に基づく標準数を職場に配置する必要があると考えるが、会社の考え方について。
 (2)職場における標準数の削減、指導員等を短時間行路に乗務させることは、異常時対応が困難になると考えるが、会社の考え方について。

10.高齢者雇用安定法は、「高年齢者雇用確保措置における労働条件」として、「短時間勤務制度・隔日勤務制度など、高年齢者の希望に応じた勤務が可能となる制度の導入」を求めていることから、エルダーを含めた高齢者対策が必要だと考えるが会社の考え方を明らかにすること。

11.ワンマン運転の拡大は、車掌の減少を招くと考えられるが、今後の駅、車掌、運転士の養成の考え方を明らかにすること。

12.「グループ経営ビジョン2027」において、「『鉄道を起点としたサービス提供』から『ヒトを起点とした価値・サービスの創造』に転換する」としているが、「新たな成長戦略」と「乗務員勤務制度の改正」との関係を具体的に明らかにすること。

13.今次提案を撤回し、動労総連合申第12号に基づき改善すること。

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