2018年9月6日木曜日

外注化阻止ニュース 第386号

https://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka386.pdf


アマゾンの過酷な労働実態
欧州に広がる物流労働者の反乱

 世界最大のネット通販企業のアマゾンがこの間、新聞や雑誌で過酷な労働実態を暴かれ、話題となっています。千葉県にも、市川塩浜や印西にアマゾンの巨大倉庫があります。
 アマゾンの労働環境の劣悪さは「アウシュビッツ」「強制収容所」と呼ばれるほど。物流倉庫で働く人や配達ドライバーは、トイレ休憩の時間がなくペットボトルで用を足す人がいるほどです。

小田原倉庫では熱中症3人死亡

 アマゾン日本法人で最大の物流拠点である小田原倉庫(神奈川県)でも、この3年間で3人の死亡事故が起きています。酷暑で倉庫内は36度を超す蒸し風呂のよう。広大な敷地を労働者が1日中探し回って歩く。その距離は1日20㌔に及びます。60㎏を超す重い段ボールを台車に積み下ろすことも。
 劣悪な職場環境と重労働によって熱中症や疲労骨折、腰痛などで労働者が倒れているのです。しかも、人手不足で休憩時間は短縮。行き着く先の死亡事故。しかし、アマゾンは「業務起因性はない」と主張。多くの労働者に、動揺と怒りが広がっています。

世界一の富豪と最低賃金労働

 労務管理システムもひどく、アマゾンの社員は倉庫にはほとんど見当たらず、数社の請負会社の社員や派遣労働者がその業務を担う。他方、チェックは厳しく、犯罪者扱いで金属探知機付きのゲートを通らされ、手荷物検査。スマホや万歩計の持ち込みも禁止。AIやロボットが導入され、呼号される言葉は「生産性」。
 アマゾンCEOのジェフ・ベドスの個人資産は約17兆円で世界一の大富豪。膨大な最低賃金と過労死寸前の労働で支えられている。クロネコや佐川急便が撤退した後、この荷物の輸送を担うのは、請負契約で「個人事業主」とされた運送労働者です。


 ①過酷な労働環境、②短い休憩時間、③低すぎる時給に対し、この夏、世界中でアマゾンに対する闘いが開始されました。
 スペインやドイツで7月、プライムデーと呼ばれるセール期間に3日間のストライキを決行。ロイター通信の報道では、ドイツでストに参加したのは1万2千人に上ります。

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