2021年11月5日金曜日

日刊動労千葉 第9026号

業務融合化・職名廃止提案を10/25妥結!?
東労組の裏切り妥結弾劾!


10月25日、東労組は「現業機関における柔軟な働き方の実現」と称する業務融合化・職名廃止提案を妥結した。この提案はこれまでと次元の違う合理化攻撃だ。それを労働組合が会社の言うままに妥結するなど、現場労働者に対する重大な裏切りだ。絶対に許すことはできない!

労働者の権利・生活を売り渡すな!

東労組『緑の風』(728号 10/20付)より
1勤務のうちに乗務、駅、コンビニ品出し、アルバイト等を行う勤務が描かれている


東労組は、妥結直前の10月20日に機関紙で、「柔軟な働き方と副業は無関係ではない」「将来的には組合員や社員をJR東日本グループ内のどこでも働かせることを想定していると見るべき」と述べている。また、1勤務のうちに乗務や駅業務、企画業務に加えて、休憩時間や仮眠時間中に請負のアルバイトをやったり、通常業務としてコンビニの品出しや食料品の販売、除草作業やポイント清掃を行う勤務を「統括センターでの予想される未来」「こんな働き方にしてはダメだ」と訴えていた。

当然、労働組合として許すわけにはいかない攻撃だ。だが、それならばなぜ妥結するのか? 「現業機関の全職名を廃止」という乱暴極まる攻撃を一体なぜ、労働組合が認めるのか!

妥結を表明したニュースでは、「10月8日交渉終了後すぐに会社から、各地方機関においても10月25日以降準備出来次第、順次提案を進める旨の通知を受けたこともあり…本部―本社間の議事録確認を締結した上での妥結を目指して議論」し妥結したと語っている。

結局、「妥結するのか、しないのか」という会社の恫喝に恐れをなして、「10月25日から各支社で提案」という会社の意向そのままに妥結したということだ。幹部の保身のために現場労働者の権利と生活を売り渡すな!

こんな攻撃は絶対認められない

現在の攻撃の焦点は乗務員区にあてられている。JR東の乗務員は約1万3千人で全社員の約3割を占める。その乗務員を徹底して合理化し削減すること、最終的には駅業務等と一体化させて外注化・別会社化することが狙いだ。

東労組は「拘束時間内における副業反対」をスローガンに掲げているが、会社との間ですでにそんなことまでが議論の俎上にのぼっているということだ。

業務融合化に関する団交においても「様々な業務に従事してもらう」「職名廃止で意識を変えていきたい」「乗務中の行き先地で駅業務を指定することもある」「そもそも標準数という概念を見直す時期に来ている」などと回答している。

さらに「副業」という形をとって、グループ内であればどの会社でも労働者を好き勝手に使えることを既成事実にしようとしているのだ。

実際、深澤社長は「これからは仕事、系統の壁だけでなく企業の壁も越えていく」と語っている。「偽装請負」などの制約をなし崩し的に解体しようという攻撃だ。

会社はこの攻撃を通してすべての鉄道業務の全面的な外注化=水平分業・分社化・転籍を一気に進めようとしている。同時に、グループ会社の大リストラ・大再編を不可避とする攻撃だ。労働者を過労死ギリギリまで駆り立て、賃金・労働条件を徹底して解体しようというものだ。

今こそ職場に闘う労働組合を

だが、問題の本質は民営化・外注化の全面的な崩壊だ。とくに駅の無人化・外注化を急激に進めた結果、「駅→車掌→運転士」という養成体系が成り立たなくなろうとしている。ワンマン化やドライバレス化では解決されない。この矛盾を乗務員と駅を融合化していくことで塗り隠そうとしているのだ。

鉄道業務の専門性を軽んじ、要員削減と合理化だけを追求する施策の行き着く先は、安全と技術継承の破壊であり「鉄道崩壊」だ。こんな施策に未来はない。会社自身、何も確信を持てないまま突き進んでいる。激しい攻撃は、同時に矛盾に満ちているのだ。

攻撃を打ちやぶる展望を開くのは職場からの闘いと労働組合の力だ。職場から本気になって声を上げることの持つ力は決して小さくない。すべての仲間に訴える。今こそ闘う労働組合を職場に取り戻そう。動労千葉に結集し、ともに闘いに立ち上がろう。