11・4「働きがい向上プロジェクト」
千葉支社団体交渉
11月4日、動労千葉申第57号に基づき鴨川・木更津・銚子を対象に行われている「働きがい向上プロジェクト」に関する千葉支社との団体交渉を行った。交渉の概要は以下の通り。
プロジェクトの目的は?
組合 「働きがい向上プロジェクト」(以下、PJ)設置の理由・目的は何か。
会社 社会の急速な変化を踏まえ、グループ経営ビジョン「変革2027」の目指す「鉄道起点のサービスからヒト起点のサービスへの転換」に向け、系統を超えて新たな価値の創造を一層推進していく観点から、社員一人ひとりの成長意欲に応え、活躍フィールドを拡大させていくものだ。系統の垣根を超え、営業も運輸も融合して、お互いに様々な業務に従事することによって、新しい発想も生まれるという考えだ。
組合 運転士に内勤、営業もやらせたとしても、逆は技術的に不可能だ。
会社 視点の問題だ。資格が必要な業務は資格が前提だ。養成の形も変わらない。だが、例えば車内改札は営業の人間も出来る。従来なら「できない」と思ってしまうところをPJメンバーが話し合い、何が出来るかを考えてもらっている。
組合 自分に与えられた仕事をまず第一に全うしなければならない。ないがしろにしてはならない。
会社 それが従来の考え方だ。見習い運転士に駅の仕事を勉強しろとはしない。PJで会社側から「こういう事をやってくれ」と出していない。従来の考え方ではなく乗客の一番近くにいる社員同士で考え、企画してもらっている。今は業務体験会という形でお互いを知ることから始めてもらっている。
組合 除草などはやっていないのか。
会社 PJ前から乗務員区と駅とで一緒にやっている。
組合 「赤字だから」と人件費が削減されている。職場には不安が広がっている。会社はPJの議論を「自主的」というが、現場から見れば「半強制」だ。
業務融合化との関係は?
組合 融合化とPJは関係あるのか。
会社 融合化も色んな所で話している。
組合 PJを基に融合化するのか。
会社 それだけではないが、ありうる。
組合 融合化は要員不足が理由か。
会社 目の前の要員不足が理由ではない。長期的視点では少子高齢化も続く。コロナ感染拡大で想定より10年早く来てしまった。このままでは立ち行かない。
組合 社員が確保できないということか。乗客が減るということか。
会社 乗客減少に合わせて営業や輸送の変化がある。社員数は減らしシステム化していく。非鉄道の割合も引き上げないと生き残れない。
「鉄道起点からヒト起点」とは?
組合 鉄道起点からヒト起点というのは、具体的にどういうことか。
会社 鉄道収入は定期収入が大きい。今後は必ずしも鉄道によらず、乗客が求めるものに合わせて商売をやっていくということだ。
組合 求めるものとは例えば何か。
会社 食品、Maasなどだ。
組合 基本は鉄道ではないのか。
会社 鉄道をないがしろにするわけではないが、鉄道だけではないということだ。
組合 房総半島の先の方は人口が減っている。だが、そこにいる「ヒト」はどう考えるのか。無人化やワンマン化は、利用者としては「捨てられている」と感じる。
会社 無人化など生産性を向上しないと維持できない。それを進めつつ、不便を感じさせないために出来ることを考える。
鴨川・木更津・銚子が対象
組合 鴨川、木更津、銚子の3エリアにした理由は何か。
会社 利用減少が著しいところだ。コロナが収まっても乗客は100%に戻らない。補うために色々と考えている。
組合 「体験会」の該当区所はどこか。
会社 鴨川は運輸区と鴨川駅と蘇我駅、木更津は木更津駅と運輸区、銚子は銚子駅と運輸区だ。
組合 全社の施策ではないのか。
会社 他支社でPJをやっているかはわからない。あくまで千葉支社のPJだ。
組合 会議のメンバーは管理職だけか。
会社 現場も入っている。メンバーは固定されている。
組合 保線は入っていないのか。
会社 今の段階では入っていない。いずれは入るかもしれない。
融合化・PJの中止・撤回を
組合 会社は「営業系統と運輸系統間の業務を融合・連携させる」としている。具体的に考えていることは何か。「駅の業務も乗務業務もやる」ということか。
会社 それも一つだ。PJとしては体験会以外に具体的に伝えられることはない。
組合 時期的にはいつを目標に議論しているのか。
会社 いつを目標に議論するということはしていない。
組合 融合化以前から仕事はハードになっている。車掌も運転士もギリギリ、駅員も少ない。そこで一人欠ければどれだけ負担になるか。その中で、乗務後に営業や企画の仕事をするということが示されている。現場の意見としては、そんな余裕があるのかというのが実感だ。融合化・PJは中止・撤回すべきだ。
(以上)