動労総連合・出向無効確認訴訟
控訴審第1回裁判 意見陳述–関副委員長
控訴審第1回裁判 意見陳述–関副委員長
第3の分割・民営化 水平分業攻撃粉砕
外注化・強制出向を今すぐ撤回しろ!
2月21日、動労総連合・出向命令無効確認訴訟の控訴審第1回裁判が行われ、強制出向当該の組合員を先頭に、各支部組合員、支援の仲間が結集した。裁判闘争はJR・裁判所の結審策動を打ち破って勝利的に闘われた。次回裁判は、5月11日11時~ 東京高裁825号法廷で行われる。
裁判冒頭に行われた関副委員長の意見陳述を一部紹介します。
関副委員長の意見陳述
東京地裁判決は、はじめから結論ありきで、会社の主張をそのまま書き写したような内容でした。偽装請負でも「違法性の程度が社会通念上看過しえない重大なもの」でなければ、外注化も出向命令も合法。就業規則で会社が勝手に出向規定を入れておけば、労働者本人との合意も、労働組合との協約もなしで出向させられる。生身の人間が仕事と向き合い働いている現実はまったく無視され、コマのように扱われていることに、本当に怒りを覚えました。
ストライキ権侵害をごまかすな!
判決文は嘘とごまかしばかりです。特にスト破りについて、「動労千葉のストライキ権を侵害するものであるか否かはともかく」と組合の争議権の問題をあえて避けて会社を擁護しました。しかし、私たちがCTSに対するストを行ったのに、対象業務を「今日はその業務を発注しなかった」とJR東日本が行うのです。そんなことが許されるなら、私たちのストライキ権はどこにいってしまうのか。
安全破壊・偽装請負は許されない
鉄道では、一元的な指揮命令系統が保たれなければ安全を守ることは出来ません。検査修繕業務、構内運転業務も本線と繋がっている業務です。JR東日本が運行を管理している以上、必然的に偽装請負にならざるを得ません。違法行為になる外注化も出向も、認められて良いはずがありません。
また、外注化当初は、検修・構内業務を担当するのはJR東日本からの出向者しかいませんでした。今でも木更津派出、一ノ宮派出、鴨川派出、銚子派出といった外注化された検査派出はすべて、JR東日本からの出向者だけで業務が行われています。技術継承の対象も、人事交流の相手もいません。何の技術も経験もない会社に業務を外注化するために、単純な労働力の提供として強制出向が行われているのです。
外注化による安全破壊も深刻です。幕張車両センターのポイント割出事故は、外注化がなければ絶対に起こらなかった事故です。他の地域でも山手線の電化柱倒壊事故など深刻な事故を引き起こしています。「個人のミスが原因で外注化は関係ない」というのは、「ミスしなければ事故にならない」といっているに過ぎません。個人のミスをいかに防ぐか、ミスをいかに事故につなげないかが安全対策です。「事故になってないから問題ない」というのは、いつか必ず事故が起きるということです。外注化が連絡体制も、責任体制も破壊し、安全を守る仕組みを解体したことが事故多発の根本的な原因です。
「雇用の場の確保のため」はウソ
6月9日、東京地裁での裁判結審の直後にJR東日本が提案してきた「エルダー社員の会社における業務範囲拡大と労働条件の一部変更について」は、「再雇用者をJR本体にも配置する」という驚きの内容でした。JR東日本の「外注化はエルダー社員の雇用の場の確保のため」という主張は、まったくのウソだったのです。私たちが主張してきたとおり、再雇用後に出向させなければならない理由は一つもなく、JR東日本自身に配置すれば何の問題もないのです。すべてが分社化と転籍強制のために行われていることがはっきりしました。
そもそも外注化の目的については地裁の裁判長でさえ疑問を抱かざるをえませんでした。しかし、判決文ではそれを一切無視し、会社主張を丸写しして容認しました。公平公正であるべき裁判所が、大企業の利害のために真実を捻じ曲げるなど絶対に許されません。真剣に裁判に臨み、審理を尽くして、外注化・出向命令無効の判断をしていただきたいと思います。
日刊動労千葉 第8421号へのリンク
外注化・強制出向を今すぐ撤回しろ!
2月21日、動労総連合・出向命令無効確認訴訟の控訴審第1回裁判が行われ、強制出向当該の組合員を先頭に、各支部組合員、支援の仲間が結集した。裁判闘争はJR・裁判所の結審策動を打ち破って勝利的に闘われた。次回裁判は、5月11日11時~ 東京高裁825号法廷で行われる。
裁判冒頭に行われた関副委員長の意見陳述を一部紹介します。
関副委員長の意見陳述
東京地裁判決は、はじめから結論ありきで、会社の主張をそのまま書き写したような内容でした。偽装請負でも「違法性の程度が社会通念上看過しえない重大なもの」でなければ、外注化も出向命令も合法。就業規則で会社が勝手に出向規定を入れておけば、労働者本人との合意も、労働組合との協約もなしで出向させられる。生身の人間が仕事と向き合い働いている現実はまったく無視され、コマのように扱われていることに、本当に怒りを覚えました。
ストライキ権侵害をごまかすな!
判決文は嘘とごまかしばかりです。特にスト破りについて、「動労千葉のストライキ権を侵害するものであるか否かはともかく」と組合の争議権の問題をあえて避けて会社を擁護しました。しかし、私たちがCTSに対するストを行ったのに、対象業務を「今日はその業務を発注しなかった」とJR東日本が行うのです。そんなことが許されるなら、私たちのストライキ権はどこにいってしまうのか。
安全破壊・偽装請負は許されない
鉄道では、一元的な指揮命令系統が保たれなければ安全を守ることは出来ません。検査修繕業務、構内運転業務も本線と繋がっている業務です。JR東日本が運行を管理している以上、必然的に偽装請負にならざるを得ません。違法行為になる外注化も出向も、認められて良いはずがありません。
また、外注化当初は、検修・構内業務を担当するのはJR東日本からの出向者しかいませんでした。今でも木更津派出、一ノ宮派出、鴨川派出、銚子派出といった外注化された検査派出はすべて、JR東日本からの出向者だけで業務が行われています。技術継承の対象も、人事交流の相手もいません。何の技術も経験もない会社に業務を外注化するために、単純な労働力の提供として強制出向が行われているのです。
外注化による安全破壊も深刻です。幕張車両センターのポイント割出事故は、外注化がなければ絶対に起こらなかった事故です。他の地域でも山手線の電化柱倒壊事故など深刻な事故を引き起こしています。「個人のミスが原因で外注化は関係ない」というのは、「ミスしなければ事故にならない」といっているに過ぎません。個人のミスをいかに防ぐか、ミスをいかに事故につなげないかが安全対策です。「事故になってないから問題ない」というのは、いつか必ず事故が起きるということです。外注化が連絡体制も、責任体制も破壊し、安全を守る仕組みを解体したことが事故多発の根本的な原因です。
「雇用の場の確保のため」はウソ
6月9日、東京地裁での裁判結審の直後にJR東日本が提案してきた「エルダー社員の会社における業務範囲拡大と労働条件の一部変更について」は、「再雇用者をJR本体にも配置する」という驚きの内容でした。JR東日本の「外注化はエルダー社員の雇用の場の確保のため」という主張は、まったくのウソだったのです。私たちが主張してきたとおり、再雇用後に出向させなければならない理由は一つもなく、JR東日本自身に配置すれば何の問題もないのです。すべてが分社化と転籍強制のために行われていることがはっきりしました。
そもそも外注化の目的については地裁の裁判長でさえ疑問を抱かざるをえませんでした。しかし、判決文ではそれを一切無視し、会社主張を丸写しして容認しました。公平公正であるべき裁判所が、大企業の利害のために真実を捻じ曲げるなど絶対に許されません。真剣に裁判に臨み、審理を尽くして、外注化・出向命令無効の判断をしていただきたいと思います。
日刊動労千葉 第8421号へのリンク