自治体相談・支援業務 専門性軽視で業務崩壊
専門性ゆえに非正規化される自治体職場
コロナ禍で失業や倒産が相次ぐ中、自治体の相談・支援業務の重要さが高まっています。
しかし、自治体で相談・支援業務を担う労働者の多くは非正規の職員です。その多くは女性で年収は正規公務員の3分の1、相談員の43%が賃金の低さ等を理由に「仕事を辞めようと思ったことがある」と回答しています(大阪弁護士会の調査)。
「相談崩壊」とも言われる危機的な事態に陥っています。非正規雇用化は、職員の退職と業務崩壊の危機をもたらすのです。
拡大する非正規公務員
自治体の相談・支援業務にはDV、児童・高齢者虐待、ストーカー、障害者支援、生活困窮者の自立支援、自殺対策などさまざまな課題があります。
相談者を適切な対応策と支援部署につなげるには専門的な知識と経験、資格などが必要です。しかし、「周辺的な業務」「片手間でやる仕事」と軽んじられてきました。それが非正規化を促進し、「相談崩壊」を引き起こしているのです。
専門性の軽視と非正規化
公務員は頻繁に人事異動が行われます。特定の企業や団体との癒着の防止、幅広い知識や技能、経験を備えたジェネラリストの育成と言いますが、近年、専門性が軽視されてきたことが指摘されています。
自治体には様々な業務があり、それぞれに経験や資格が必要な専門性があります。
しかし数年で異動を前提にした正規公務員は、専門的な資格を活かせる職場に留まることを期待されません。そのため現実の職場においては、専門的な資格や技術・経験が必要な仕事を、異動がない非正規職員が担ってきたのが現実なのです。
このため「経験年数の浅い非専門の正規公務員と、専門的な技術・資格を持ちながら低賃金・不安定雇用の非正規公務員」という職場の分断が拡大していったのです。
JR東日本「融合化」に反対を
JR東日本が進める「融合化」やジョブローテーションの狙いは、要員削減と乗務員を含めた外注化・非正規雇用化です。それは鉄道の崩壊をもたらします。鉄道業務を軽んじて利益だけを優先するなど許すことは出来ません。
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