2010年7月30日金曜日

7.25 田中委員長提起

 以下に7月25日2010年度動労千葉支援する会定期総会における田中委員長の提起を掲載します。



 冷房、最強にしてあるんですが、熱気に勝てなくて(笑)、熱くてすいません。
 なによりも、長い間、国鉄分割・民営化反対闘争と、解雇撤回闘争への支援にお礼を申し上げます。6・13集会にも本当に多くの方に結集していただきました。だからこそ、ああいう形でも新しい全国運動を訴えることができた。動労千葉だけでは、ああいう提起はできないことと思っています。訴えれば、必ず全国の仲間が応えてくれるという確信があったから、よびかけられた。
 この情勢の中で、僕らは何から出発するのか?例えば国鉄闘争でいえば、国鉄分割・民営化に反対し、40人の仲間が解雇され、百数十人が配転され、数千万円の損害賠償をぶっかけられ、ありとあらゆる組合破壊攻撃を受けながら、組合員は団結を乱さず闘い抜いてくれてJRに乗り込んだわけです。
 それから24年、1047名の解雇撤回を闘い続け、これにある意味で人生をかけて闘い続けてきた。
 49和解は、たんに僕たちだけじゃなくて、どうみてもそれだけじゃなく、すべての労働組合に対して、「もうおまえらは闘っても駄目なんだ」と突きつけるもの。こういう状況に屈したら、これからどんなことを強制され、どんな状況に突き落とされるかもはっきりしている。こういう局面ですよね。

 どこから出発したらいいか。当たり前のことだと思う。労働者がどんな現実に置かれているのか、ということ。一人ひとりの労働者の現実を、自らの問題として見なければいけない。1000万という労働者が非正規に突き落とされ、明日をもしれない状況。高校に子どもを通わせられなくなった労働者が、毎年7万人ですよ。年金も医療もメタメタ。本当に生きていけない。毎日、何万、何十万という労働者が絶望に突き落とされている。これを変えるために、労働組合は大事だ!とがんばってきたんです。この現実から出発しないといけないということ。

 この現実に対して、労働組合がいったい何をやってきて、何をしているのか。役に立たないどころか、労働組合が権利を破壊し、労働者を突き落としている現実。  ここからもう一度、出発したい。

 闘いだから和解はあります。100%勝って、闘いが終わった例は、残念ながらほとんどありません。だけど今回の和解の問題点は、政府の側に「国鉄改革は、国民に多大な成果をもたらした。国鉄改革の完遂に全力をつくす」と言わせるような和解だったということです。どんな和解でもいいけど、こんなことを政府に言わせるような和解をしてはならない。これは国鉄労働者の責任ですよ。自分たちさえ良ければいいのか、ということ。 国鉄分割・民営化をやった中曽根が「よくやった」。こういう風に言わせてしまう和解なんです。
 
 僕は、戦後の日本の労働運動の歴史ということを考えました。60数年間、日本の労働運動はいっぱい欠陥があったとしても、そのもとで労働者は闘いの火を燃やし続けてきた。だけど、多くの場合は、労働者は悔しい思いをして闘いを終わらざるをえなかった、悔しい思いをして労働組合は分裂し、闘いは消滅してきた。そういうことの繰り返しだった。

 だけど、いまの状況は、戦後始まって以来の労働運動の深刻な危機だと思っている。これほど、日本の労働運動が深刻な危機に陥ったことはない。国鉄分割・民営化攻撃におそれをなした労働組合の幹部たちは、「おれたちも、ああやってやられるんだ」と後退に次ぐ後退を続け、わずかに抵抗してきた1047名闘争がこんな形で終わったらどうなるのか。
 動労千葉は400人ぐらいの小さい労働組合です。だけど、小さな力といったって、始めから「小さいから」と屈服したらそれまでだ。この声が、いまの時代に抗することができるのかどうか、全国の仲間とつながっていけるのかどうか。やってみないとわからない。だけど、日本のこれまでの労働運動は、幹部たちがあらかじめ諦めている。そこから出発するから、結末は知れている。この道を歩んではいけない。
 どんな小さな力だって、あきらめない。一見、労働運動の火が消えてしまいかねない危機の中にこそ、チャンスがあるんじゃないかと見ている。
 その焦点は、中曽根が国鉄分割・民営化について「これで総評、社会党をつぶす」と言ったように、ここが焦点。
 分割・民営化反対闘争や動労千葉を支援してください、という小さな話じゃなくて、ここにすべての怒りの声を結集して、これから攻撃されようとしている公務員労働者、非正規職の仲間の怒りを結集して、この全国運動で日本の労働運動を作り替えたい、というのが我々の率直な思い。   これから起きること。さんざん訴えてきたが、国労は全労協から脱退し、連合に入る。今度の大会で、その方向を打ち出した。そうなれば、都労連も抜け、連合が完成する。こういうことが起きる。今始めることは、各地方の職場から、地域から、こういう状況の中で、かつて、労働組合が切実な労働者の欲求として労働者の団結と闘いが始まった、そういうイロハのイから闘いを始めるということ。職場で3人、5人と仲間を会員として組織する。全国運動のことだけ議論することはない。5人集まったら、労働運動の現状、職場の現状について議論し、そう言う仲間があつまって地域に動労千葉を支援する会を組織していく。途方もない計画だけど、労働組合って、そもそもそいういうもの。特効薬はない。全国に、網の目のようにネットワークを張り巡らせる。その中心に、この全国運動を据えたい。…。
 職場の仲間の怒りや思い、非正規労働者の切実な現実に対して、どういう形を与えることができるのか。
 最後にお願いしたいのは、立ち上がったこの運動を本当に大事にしてほしい。いったんは潰された状況の中から、階級的労働を運動をゼロから造り上げるという壮大な挑戦をやるわけだから。まずは自分の職場で、確信と決意に燃えて。これができれば、必ずこの時代に抗するものになる。ぜひ、闘いを始めてほしい。全国各地と職場に、運動と組織をつくっていこう。11月集会にまずは1万人ぐらいを集めたいと勝負にならない。あと数ヶ月です。そういうことを焦点にしながら、総決起をお願いして動労千葉からの提起に替えたい。