2022年7月27日水曜日

日刊動労千葉 第9150号

団交で明らかになった
管理職 “再雇用賃金内規”驚きの実態


65歳以降の雇用延長問題 7/12CTS団交開催

団交で明らかになった管理職
“再雇用賃金内規”驚きの実態

65歳以降の雇用延長をめぐって7月12日、CTSとの団体交渉を行った。CTS総務部長も出席し、3月以降ずっと「中断」状態が続いていた申9号、申19号について議論を行った。

「会社が事実と違う説明をしていた」

CTSは昨年から今年3月8日の団交まで一貫して「管理者も一般のエルダーと同じ扱い。65歳以降の雇用延長については求人求職情報提供サービスを通して」「65歳以降の方を雇える経営状況じゃない」との回答を繰り返してきた。

しかし、これは真っ赤なウソだった。今年1月、65歳を迎えてエルダー出向期間が満了した南船橋所長をこっそり雇用延長していたのだ。

CTSは「誤解を招きかねない回答だった」と謝罪したがこんなもの誤解でも何でもない!

会社は組合に対し、事実とまったく違う説明をしていた。しかもその間に、上級管理者だけをこっそり再雇用していたのだ。これを「だまし討ち」「虚偽回答」といわず何というのか。絶対に許すことはできない。

管理監督者の人事は取締役の専権事項

交渉ではさらに、管理者だけ雇用延長する根拠を追及した。その中で、CTSが作った「管理職エルダー再雇用賃金内規(以下、内規)」の驚きの実態が明らかになった(下記参照)。

CTSは、「管理監督者」の雇用延長のために「昨年10月に内規を作成した」と回答した。だが、賃金制度や就業規則の担当の総務部次長ですら内規作成にはタッチしていない。「内規は、本社で閲覧できるような場には置いていない。取締役だけが持っている」と驚くべき回答を行っている。

さらに、組合から「労働条件を定めたものであるなら、就業規則であり、労基署への届出、職場で閲覧できる必要がある」と追及すると、CTS総務部長は「労基署には届けていない」「団交でも見せられない」と隠ぺいする姿勢を続けた。しかも、管理監督者の人事については「取締役の専権事項」であり、一般社員の人事を担当している総務部次長ですら「ノータッチ」だと回答した。団交は、継続討論を確認して終了した。組合からは7月21日、この件に関する追加申し入れを行った。

一部上級管理者だけが甘い汁

CTSは、何のためにこんないかがわしい「内規」をコッソリ作っているのか。65歳以降も就労継続を求める動労千葉組合員を職場から排除するとともに、自分たち上級管理職だけはすり抜け、甘い汁を吸い続けるためだ。都合のいい「内規」をデッチあげているのだ。

職場からは「管理者なら何をやってもいいのか」「上級国民のつもりか!」と怒りの声が上がっている。

高齢法が改定され、70歳までの雇用の場の提供が努力義務になった。それに真っ向から反して現場の仲間の首を次々と切っておきながら、「管理者は別」と居直るCTSを徹底追及しよう! CTSはすべてを白紙に戻し、希望者全員の雇用延長を行え。団交、労働委員会、行政訴訟を一体で闘争勝利まで闘い抜こう。

〇次回の裁判闘争
8月1日(月)11時~
千葉地裁

○次回の千葉県労働委員会闘争

8月25日(木)11時~
千葉県労働委員会(千葉県庁南庁舎)

 

一部の上級管理者が甘い汁を吸うための
「管理職エルダー再雇用賃金内規」

★総務部次長も内規作成には関わっていない(じゃあ誰が作ったのか? )
★総務部次長ですら「内規の内容は詳しく知らない」「取締役だけが持っている」「閲覧できる場所にはない」
★「内規は労基署に届けていない」「団交でも見せられない」「表に出すものではない」と隠ぺい
★管理監督者の雇用延長は取締役の専権事項。総務部次長すらノータッチ

※管理監督者とは?

労働基準法41条2号に規定された「労働時間、休憩及び休日に関する規定」が適用されない者のこと。経営者と一体的な立場で、労働時間等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職責と権限を持つことが条件。「管理職」「管理者」でも、管理監督者以外の管理職には、超過勤務手当、深夜割増手当等を支払う必要がある。