2021年1月21日木曜日

外注化阻止ニュース 第513号


必要なのは「緊急事態宣言」なのか
3月ダイ改・ワンマン拡大・「1500億コスト削減」
すべての合理化の中止を

 菅政権は1月7日、2度目の緊急事態宣言を出しました。「罰則付きのコロナ特措法」も議論されています。しかし、なにより必要なことは収入を絶たれた労働者や中小事業者にただちに十分な所得保障を行うことです。

なぜ「医療崩壊」が叫ばれるのか

 本当の危機は感染者数も重症者数も欧米よりはるかに少ない日本で「医療崩壊」が叫ばれる現実です。
 日本の医療機関のうち民間病院は約8割で海外よりかなり高い割合です。急性期病院のうちコロナ患者の受け入れに対応したのは、公立の7割超に対し、民間では2割です。
 医療まで「利益優先」「経営優先」にして破壊し、医師や看護師の労働条件を解体してきたことが、今の危機を招いたのです。
 しかし、菅政権は「GO TO」に予算はつけても、 医療や保健所の体制強化に手を打たず、それどころか440の公立・公的病院の統廃合を推進し、小池都知事は都立病院の独立行政法人化をコロナ禍の最中で決定しました。その中で感染が再拡大し、また「緊急事態宣言だ」「自粛せよ」「今度は罰則付きの法律が必要だ」と言っているのです。

感染対策より合理化優先するな

 JR東日本は、1月20日からの終電繰り上げを発表しました。「感染対策への協力」という形ですが、JR自身はいまだに職場での検温さえ行っていないのが現実です。
 JR東はグループ内に病院も持っています。定期的なPCR検査も可能です。しかし、検温やPCR検査で発熱者や陽性者が発覚すれば代務が必要です。感染対策を真剣に行うなら十分な要員確保が必要になります。JRはコスト削減・要員削減を優先させ、あえて検温さえ行っていないのです。
 その一方、会社はこの感染拡大のさなかでも3月ダイ改・ワンマン運転拡大を強行しようとしています。現場労働者の生命と健康をなんだと思っているのでしょうか。「緊急事態」を語りながら、感染対策より合理化を優先することは許されません。
 JRは3月ダイ改、ワンマン運転拡大の準備、ジョブローテーションなどの異動、管理者等の乗務拡大、混み運用などの合理化施策をすべて、ただちに中止すべきです。

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