2021年5月26日水曜日

闘いなくして安全なし No.307


定昇・夏季手当削減するな
「コロナ赤字」口実にした賃下げ許されない

 今春、JR東日本はJR各社の中でも唯一、史上初めての定期昇給カットに踏み込みました。「コロナ赤字」は口実に過ぎません。JR北海道、四国、貨物なども定昇カットは行っていないのです。

鉄道の民営化が〝危機〟の原因

 そもそも、「コロナ」によって公共交通の経営危機が叫ばれているのは、「先進国」の中では日本だけです。欧米では〝公共交通が赤字なのは当たり前〟であって、公的資金によって成り立っているからです。それはコロナ対策で公共交通にあてられた予算額にも表れています(左下表)。
 日本の中でも、道路整備には2兆円を超える国家予算が注ぎ込まれています。それに対して、鉄道・公共交通関係は約540億円にしかなっていません(左上グラフ)。
 公共交通は日々の生活に必要不可欠です。それを民営化して金儲けの道具にしたことにそもそもの問題と責任があります。

現場に矛盾を押し付けるな

 JR東は昨年度グループ全体で2250億円コストを削減し、今年はさらに7百億円削減すると発表しました。その中で昨年度は一時金も大幅にカットされています。
 現場労働者は感染の危険の中でも日々鉄道を動かしてきました。「コロナ赤字」のツケを押し付け、定昇や一時金をカットするなど、絶対に許されません。
 JRは定昇カットを撤回し、十分な夏季手当・コロナ手当を支給すべきです。



コロナ対策での公共交通関連予算

【ドイツ】 2020年6月 地域公共交通に25億ユーロ(約3千億円)
【アメリカ】 2020年4月 250億ドル(約2兆7千億円)の支援
【日本】 20年第2次補正予算 総額32兆円のコロナ対策のうち、地域公共交通関連の予算は感染予防対策としての約140億円

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