2021年8月4日水曜日

外注化阻止ニュース 第540号


千葉支社で組織横断PJ
安全を破壊する業務融合化
西日本・北海道では事故や偽装で破綻

 JR千葉支社は「営業系統と運輸系統の業務を融合・連携させる」ことを掲げた組織横断プロジェクトの発足を発表しました。
 プロジェクトは、鴨川・木更津・銚子の3エリアで両系統の社員と地区指導センターの支援者で構成され、メンバーは所属箇所と支社総務部、地区指導センターの兼務とされています。

安全崩壊で再び専門性重視に

 業務融合化は、JR西日本や北海道でも実施されてきました。特にローカル線地域において、西日本では「(地域)鉄道部」、北海道では「運輸営業所」が設立されました。
 そこでは駅・車両・保線・建築・機械・電気等の職名がすべて廃止・統一され、業務を融合化して徹底的に要員を削減したのです。
 例えば、〈車掌として約4時間乗務した後に入区作業、構内入換業務で出区8本・入区6本の誘導、3時間以上の改札業務を行って終業〉という作業ダイヤが組まれていました。
 建前として、こうした合理化は「安全性が損なわれていない範囲」で行うとされていました。しかし、専門的知識がない者が指揮を取ったことなどが原因で保線データの偽造(北海道)や05年の福知山線脱線事故(西日本)の遠因になるなど、両社とも重大な事故を起こし、技術継承や安全上の深刻な問題を招きました。
 結果、北海道の運輸営業所は消滅、西日本の鉄道部も統廃合で3分の1まで減っています。再び専門性を重視せざるを得なくなり、西日本は一度廃止した駅、技術職、車掌、運転士等それぞれの「主任」職名も復活させました。

「融合化」提案に反対の声を


 ところがJR東日本は、より極端な「融合化」を進めようとしています。鉄道を動かす様々な専門業務を軽視し、利益だけを優先して「新たな価値創造」を叫ぶ施策は、必ず鉄道の安全を破壊します。
 会社の攻撃には大きな矛盾があります。阻止する力は職場に闘う労働組合を取り戻すことです。動労千葉と共に反対の声をあげよう。

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