2021年10月28日木曜日

外注化阻止ニュース 第553号


 全米に広がるストライキの波
企業や学校から病院・刑務所で労働組合を結成

 「今、アメリカの労働運動が、近年なかったほどの盛り上がりを見せている。一般企業から教育機関、病院から刑務所まで、社会の隅々で組合を組織する闘いが起きている。新たな組合が発足、従業員たちが組合加入を決めた、既存の組合が経営陣と交渉の末、賃上げや待遇の改善、雇用の保障、労働者に不利な契約条項の撤廃に成功した、といった関連のニュースを目にしない日はないほどだ」(岩波書店『世界』10月号「アメリカ・あらたな労働運動の波」より)

 いま米国では、さまざまな産業・職場で労働組合がつくられ、ストライキが行われています。ハリウッドのカメラ技術者ら製作スタッフ6万人が10月中旬にストライキ直前まで行きましたが、交渉がまとまってストライキを回避したことがニュースになりました。
 シリアル食品で有名なケロッグ社ではテネシーやペンシルベニア、ネブラスカ、ミシガンの工場で、強制残業への抗議と賃上げなどを要求して10月にストライキが決行されました。ケロッグ社は〝巣ごもり需要〟で過去最高の業績を上げていますが、生産を維持するために労働者は週7日、1日12時間のシフトだったそうです。
 医療業界でも巨大ストライキが準備されています。カリフォルニアの大きな病院グループで(13病院と数百カ所の医療センター)の労働者約3万人が10月中旬、96%の高率でスト権を確立。働き手を増やしてパンデミックによる負担増を軽減することを経営陣に求めています。
 航空産業や製造業などにもストライキの波が広がっています。

「労働組合に肯定的」が過去最高に

 米国の労働組合陣営は、新型コロナ危機の際
多くの組合員がエッセンシャルワーカーなのに、経営側からそれに見合う扱いを受けていない点を強調しています。
 米国では、1983年に20%だった労働組合加入率が昨年時点で11%を割り込むなど労働組合は低調傾向でした。しかし今年8月のギャラップ社の世論調査によれば、労働組合に肯定的な米国民は68%と1965年以降で最高水準となり、この比率は18歳から29歳までだと約78%に達するとのことです。

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