2022年8月4日木曜日

外注化阻止ニュース 第592号


 

 JR東 35路線66区間の収支を発表
民営化の矛盾を地域・現場におしつけるな

 JR東日本は7月28日、1日1㌔あたりの平均利用者数(輸送密度)が2000人未満の35路線・66区間の区間別収支を初めて明らかにしました。

沿線地域から激しい怒りの声


 JR東の発表に先立ち、7月25日には国土交通省の検討会(2月に開始)が提言を発表し、輸送密度1000人未満の路線について国と自治体、鉄道事業者が協議する仕組みを設け、3年以内に方針を決めるべきだと発表しました。
 当初、検討会では「2000人未満」を基準に検討が行われていました。
 しかし、沿線地域を中心に激しい怒りと抗議の声が上がったことで「1000人」に後退させざるをえなくなったのです。
 また、「現に営業する路線の適切な維持に努めることが前提」と改めて確認することにもなりました。
 ところが、JR東日本はあえて「2000人未満」を基準に路線の収支を公表しました。「これだけ赤字だ」ということを掲げ、沿線地域の住民に「廃線か、自己負担か」と突きつけようというのです。

〝道路より先に電車が止まる〟

 そもそも「利用状況に合わせる」といって列車本数を減らせば、当然乗客も減ります。
 ある地域の住民は、「かつては雪で道路が止まるから電車に乗っていた。最近は先に電車が止まるので車に乗っている」と話しています。〝赤字だから減便したほうが儲かる〟〝除雪して走らせても赤字だから止めてしまおう〟――乗客の減少も自然に起こったわけではありません。
 公共交通機関である鉄道を民営化して「利益」を基準にしたことの失敗が明らかになっています。その矛盾を「廃線」「ワンマン化」「無人駅化」などで、地域住民や現場労働者に押しつけるなど許されません。

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