2022年8月12日金曜日

外注化阻止ニュース 第593号


 

 労働組合に結集し賃上げ要求を
千葉最低賃金審議会が時給984円を答申

生活できる賃金を

 千葉地方最低賃金審議会は8月5日、千葉県の最低賃金を時給で現行の953円から31円引き上げ984円にするよう答申しました。10月1日から適用されます。
 マスコミでは過去最高と報じられ、労働組合の全国組織である連合は「評価する」としていますが、とんでもない話です。この間の急激な物価上昇を考えれば、この額で生活することは困難です。「焼け石に水」「30円で過去最高?」「何が変わるのか」との声が噴出しています。
 日本では、最低賃金に近い水準で働く労働者がこの10年ほどで倍増しています。その多くは自立した生活を営んでいます。非正規労働者が全体の4割近くになり、正社員でも低賃金の労働者が増えています。最低賃金が生活に直結する世帯が増えているのです。
 今年に入ってウクライナ戦争などの影響もあり、激しい物価高が続き、食料・光熱費・ガソリンなど生活を直撃する必需品が次々と値上げされています。この物価高騰にこんな水準ではとうてい追いつきません。

異常に低い日本の賃金

 最低賃金は近年引き上げが続いており、2年後には政府目標の1000円に達すると言いますが、それ自身が海外と比べても異様に低い常態です。英国では4月から1530円、フランスも5月から1460円に引き上げています。
 米国では2015年に始まった「最低賃金15㌦運動」などの労働運動の高揚のなかで、この7月からワシントンDCやロサンゼルスで16㌦(2110円)、サンフランシスコでは17㌦(2240円)など、引き上げが続いています。
 最低賃金をめぐる状況を変えるためにも労働組合の存在感が必要です。

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