2022年8月31日水曜日

日刊動労千葉 第9164号

鉄道の軍事利用を許さない!
俺たちの誇りと怒り
2022  定期大会・貨物の課題 


「高まる期待」
深刻な要員不足!

「SDGsやESG、さらにはカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが求められる中、環境効率の高い輸送機関である貨物鉄道およびJR貨物への期待はますます高まっている。しかし、JR貨物の経営基盤強化の道はまだまだ途上であり、線路使用料や整備新幹線の建設に伴う並行在来線の問題など多くの構造的課題が残されている」(物流情報の専門紙・カーゴニュースから)。
国交省のローカル線廃線提言に象徴される国鉄分割・民営化の大破綻が明らかになる中、貨物職場では要員問題をはじめ現場に矛盾が集中している。

65歳以降も雇用すること!

「あきらめているから年休の申し込みをしない」、これは深刻な問題だ。保存休暇もいっぱいで年休を流す人もいる。当然の権利である年休が取得できない。
異常時の救援手配で特休の消化ができずに休日が買い上げになる。コロナワクチン接種に関わる要員手配がある。現場はギリギリだ。
千葉機関区は30年以上も新規採用の運転士を配置しなかった為、この3年ほどの間にほとんどの運転士が65歳を迎える深刻な事態に直面している。
いつ思わぬ病気やケガをするかわからない、欠員状況に関わらず余裕をもった予備要員が必要だ。「希望者の雇用延長を行え」が現場の圧倒的な声だ。

シニアで安心して働けること!

千葉における貨物輸送はライフラインを守るという石油輸送の重要な拠点だ。会社はその将来展望を明確にするべきだ。
なにより、定年再雇用となっても降りるところがなく、本線運転士を続けなければならない現実がある。仕業の緩和。年休、特休が消化できる要員の配置。夏の猛暑、全機関車への冷房の完備。重い乗務バックの解消。地域別基本給差別の見直し、等々。
シニア運転士の高齢者対策の抜本的確立、安心して働ける労働条件の確立はまったなしだ。

鉄道の軍事利用を許さない!

7月28日に、「今後の鉄道物流の在り方に関する検討会」の中間とりまとめが発表された(↓参照)。

中間とりまとめ
「鉄道貨物輸送は、我が国の内陸部へのエネルギーの安定供給のために果たすパイプライン的役割のほか、「災害対策基本法」や「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に基づく「指定公共機関」として、我が国の基幹的な鉄道ネットワークを活かした災害時や有事における物資輸送の役割など、高い公的ミッションを負っていることにも留意しなければならない。」


そこでは、「武力攻撃事態や存立危機事態に対する事態対処法に基づいて、指定公共機関として、災害時や有事における物資輸送の役割など、高い公的ミッションを負っている」と、書かれている。
検討会には防衛省の人間も参加し、「ウクライナ戦争で貨物鉄道の重要性が示された」「日本でも鉄道会社と有事を想定したような連携を」と強調した。
太平洋戦争当時、「鉄道は兵器として重大な使命をもつ」、「戦力増強のための資材輸送に、国民生活の必需品の確保に、輸送力のすべてをあげて戦い続けている」と、運輸通信省鉄道総局が発行した冊子「決戦輸送図絵」に書かれている。
戦争こそが労働者にとって最大の権利破壊だ。職場における権利を守る闘いと、戦争を止める闘いは一つの課題だ。貨物鉄道に働く労働者の職場からの反戦決起をつくりだそう!
定期大会に向かう過程で、安心・安全に働ける労働条件をどうやって確立していくのか、真剣に議論し、闘う方針を確立しよう! 大会の成功をかちとろう!

 

決戦輸送図絵

運輸通信省鉄道総局 1944年