2013年8月7日水曜日

外注化阻止ニュース 第82号

外注化阻止ニュース第82号

 

規制緩和と利益優先がもたらす安全の崩壊
世界中で激発する鉄道事故

 7月24日、スペインでマドリード発フェロル行きの高速鉄道が脱線し、死者79人と負傷者140人という大事故が発生しました。事故の原因は急カーブでの速度の出し過ぎです。なぜここまで速度を出し過ぎたのでしょうか。
 スペインでは、高速鉄道の運賃払い戻し条件が、「20分の遅れで25%」「40分で50%」「60分だと100%」です。そのため運転士は想像を絶する危険なスピードアップを強制されているのです。
 スペインでは、高速鉄道網が急ピッチで進められています。従来のスペインの鉄道は広軌であったものが、高速鉄道ではヨーロッパの他の国との乗り入れも考慮して標準軌が採用されたのです。
 そのため軌間可変電車が開発使用され、高速鉄道から従来路線への乗り入れが行われています。運行管理システムは、高速鉄道用と従来線のものが入り混じっており、これが速度制限できなかった原因になっているのです。
 地元メディアは「鉄道組合の代表者らが、低速列車用に設計されたカーブのある線路での高速列車の走行に疑問を投げ掛けていた」と伝えています。

運転士への責任転嫁は許せない

 「事故当時、運手士は電話をしていた」などと、運転士に責任転嫁する報道がされています。しかし、これは管理担当者から掛かってきた電話であり、運転士が列車基地と連絡を取り合うのは「一定のルールに従っている限り普通のこと」なのです。
 運転士は警察署に勾留され、予審判事による取り調べも受けました。その後、条件付き釈放となりましたが、パスポートは取り上げられ、居場所を定期的に裁判所に報告しなければならない状態に置かれています。運転士への事故責任の転嫁を許してはなりません。
 カナダでも7月6日、原油輸送貨物列車の脱線・炎上で数十人が死亡する事故が起きています。パイプラインの建設が進まない中で、鉄道による原油輸送を急増させたことが背景にあります。しかも72両編成を一人(!)で動かしていたのです。世界中で激発している鉄道事故の背景には、規制緩和や合理化、利益優先による安全崩壊があるのです。

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