2018年7月19日木曜日

外注化阻止ニュース 第380号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka380.pdf


災害対策怠り犠牲拡大
西日本豪雨
自治体職員削減で避難困難に

 西日本豪雨で200人を超える人が亡くなっています。1982年の長崎大水害以来の豪雨災害となりました。心からの哀悼とお見舞いを申しあげます。

20年も管理放棄された小田川

 堤防決壊と冠水で最多の死者が出た倉敷市真備町は、05年の「平成の大合併」で倉敷市に合併され、旧真備町役場は倉敷市役所真備支所に格下げされ、職員数も半減していました。倉敷市の職員組合は「慢性的な人手不足で月百時間を超える残業の職員も」と以前から訴えていました。真備町は高齢者世帯の割合も多く、職員の不足は、住民の避難に大きな困難をもたらしました。
 また決壊した小田川の堤防は、以前から危険が指摘され、住民は早期の対策を訴えていました。
 小田川の河原には森のように樹木が繁茂し、「木が流れを変えた」との目撃もあり水位上昇の原因になったとの住民の指摘もあります。
 岡山県は河川整備計画を20年間も作成せず、河川の管理を放置していたことが明らかになっています。国も県に責任を押し付けてきました。
 石井・国土交通大臣はあわてて小田川の付け替え工事の完成時期を当初予定の2028年から前倒しするとの方針を表明しましたが、地方を切り捨て、災害対策に金をかけず、災害に対する抵抗力を奪った結果が大惨事をもたらしたのです。

橋の老朽化放置と保線の外注化

 今回の豪雨の影響でJR西日本でも中国・四国地方で大規模な運休が発生しています。
 広島県内を走る芸備線では、長さ85㍍の鉄橋が流失しました。建設から百年を超え、老朽化が進行し、架け替えの時期を何年も過ぎていました。広島駅の再開発など利益優先で安全対策を怠り、老朽化を放置してきたのです。
 JR西日本でも保線業務は軒並み外注化され、保線技術を持った社員は少なく、復旧の長期化が予想されています。
 中国山地を走る芸備線や姫新線、木次線などの沿線住民からは「このまま廃線になるのでは」との心配の声も出ています。
 自然災害を口実にした廃線や地方切り捨てを許してはなりません。

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