2019年5月25日土曜日

日刊動労千葉 第8628号

「運転士・車掌廃止」絶対許さん!⑤
賃金制度改悪提案
「今回は乗務員手当を見直さない」?
今こそ職場からの闘いが必要だ!

乗務手当廃止は阻止できる!

 5月14日、会社は乗務旅費や日当を廃止する賃金制度改悪提案を行いました。提案は、乗務旅費や日当を廃止するなどの一方、乗務員手当については提案がありませんでした。
 しかし、資料にはあえて「今回、特殊勤務手当(乗務員手当等)は見直しません」と但し書きが入れてあります。それは「今後は見直す」と言っているに等しいことです。
 乗務員勤務制度を改悪し、深夜額A・Bを廃止し、運転士・車掌の職名を廃止し、旅費を廃止し…。外堀を次々に埋めていき、その都度少しアメも与え、抵抗できないように既成事実を積み重ね、最後は乗務員手当(特勤手当)を廃止する。これが会社の考えです。
 「同一担務は最長10年」とは、40歳くらいまでに管理者になれないものは下請会社に放り出すということです。まさに「集団左遷」こそジョブローテーションが狙うものです。そのために乗務員の待遇=乗務手当の解体が初めから狙われています。
 それは、〝将来の話〟ではありません。3月ダイ改・乗務員勤務制度改悪強行から2週間も経たず、「運転士・車掌廃止」提案が行われました。会社は一つ外堀を埋めたら次へと、矢継ぎ早に攻撃を仕掛けてきています。

恐れているのは現場からの反乱

 会社は乗務員手当廃止を以前から検討していました。それでも「運転士・車掌廃止」まで提案しながら、乗務員手当に手を付けられませんでした。それは、会社が現場からの反乱を恐れているからです。
だからこそ、ここで職場から反撃することが会社の攻撃を打ち破る最大の力です。闘う労働組合を職場に取り戻すことです。その力があれば、乗務員手当廃止は阻止できます。

ジョブローテーションはウソとペテンだらけだ!

 会社は提案で、「AIで乗務員は不要」「人口減少で人手が不足する」などといっています。しかし、中身はウソとペテンばかりです。
 自動運転は線路内への人の侵入、線路沿いの火災といった非常事態の対応がとくに弱点です。それにもかかわらず、鉄道の輸送障害はこの30年で3倍以上に増えています。昨年末から今年の10連休中には、乗客に大きな影響を及ぼす輸送障害が相次ぎ、国交省からJR東に異例の警告文書が出されています。
 こんな状態で、「ドライバレス運転」推進にどれほど現実性があるのか? それを口実に運転士と車掌を廃止する? 「乗務員はもう特別な仕事ではないから乗務手当はいらない」? 安全を守ることより、乗務員を貶めることを優先するなど絶対に許せない!
 「人口減で人材確保が困難」は、さらにペテンです。現在の「人員不足」は会社が必要な人数を採用・養成しなかっただけの話です。
 ZOZOタウンでは時給を1千円から1千3百円に引き上げただけで、2千人の応募枠があっという間に埋まりました。世にいう「人手不足」がいかにウソか、この上なく示されています。結局、「超低賃金でこき使える労働者が足らない」というだけなのです。会社が将来の人員不足を心配しているとすれば、「鉄道業務はすべて別会社化し、低賃金にする」つもりだからです。
 しかし、こんな攻撃は必ず破綻します。鉄道の安全を守る技術も経験も現場労働者にしか引き継がれません。退職者が相次ぐ状態になれば、安全を守ることなどできません。
 この攻撃は矛盾だらけです。最後まで諦めず、団結を守って闘いぬけば必ず打ち破れます。ともに職場から声をあげ、「運転士・車掌廃止」、乗務員手当廃止を阻止しよう。
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