2021年4月17日土曜日

日刊動労千葉 第8939号

外注化施策そのものの破たんを追及! 3/15JR東本社団交

「10年で完成」できない以上、責任をとってただちに外注化を撤回しろ!

3月15日、「検修構内業務の外注化に関する緊急申し入れ」に基づきJR本社との団体交渉を行った。JR本社は「破たんしているという認識はない」「要員も安全もグループ会社がやることだ」「休勤が何十日発生しても関係ない」という無責任で卑劣な回答を繰り返した。これが外注化がもたらした無責任体制だ!

だが、現場の実態を突きつけて回答できないところに追い込み、「今回の議論の内容をきちんと千葉支社・CTSに伝える」と回答させた。その後、JR千葉支社・CTSと同様の申し入れに基づき団交を開催した。

外注化の破たんはすでに明らかだ。JRは責任をとってただちに外注化を撤回しろ! すべての業務と出向者をJRに戻し、CTSプロパー社員をJRに雇え! 外注化粉砕へ全力で闘いにたちあがろう。

以下、JR本社団交の交渉概要を報告します。

外注化施策そのものの破たんだ!

組合 千葉における検修・構内業務の外注化から8年半がたっている。10年で外注化体制を完成させるという議論をしてきたが、その考えは変わらないか。

会社 同じ認識だ。安定して推進している。

組合 CTSでは58名プロパー社員を採用して19名が退職している。毎月、勤務指定時に何十日と休日勤務が発生している。12月が36日、1月が55日、2月が54日、3月が29日だ。そういう現状は把握しているか。

会社 要員体制は基本的にグループ会社内で決定していくものだ。本社が把握するという認識はない。

組合 外注化は本社施策だ。責任がある。

会社 きちんと業務が行われているかは確認する。基本的に委託した業務はグループ会社で決定し、運営している。

組合 あまりに将来展望が見えない中で退職が相次いでいる。JRが外注化したために低賃金で働かされる。それが業務が回らない状況を招いている。外注化施策そのものの破たんだ。

会社 破たんしているという考えはない。賃金はグループ会社で決定していくものだ。

組合 雇ったプロパー社員の3割以上が辞めている。現場は、おおよそプロパー社員50名に対してエルダー・若年出向者100名という割合だ。あと1年半で100名のプロパー養成など出来ないはずだ。外注化がうまくいっていないということだ。

会社 そういう認識はない。業務はきちんと運営されている。

組合 これで定着したと考えているのか。

会社 将来的にはプロパー社員が業務をしていく。変革2027にある通り、機械化・システム化で効率化も図っていく。

休勤何十日でも「関係ない」?!

組合 毎月何十日もの休勤は正常な業務運営ではない。

会社 休勤ひとつを見てどうという話ではない。委託した業務がきちんと運営されているかどうかだ。

組合 「休勤がでようが本社は関係ない」などという回答があるのか! グループ会社でどんな働き方をさせても関係ないというのか! そんな外注化施策は即刻やめるべきだ!

会社 グループ会社内で経営していく問題だ。本社としては安全については指導などを行う。要員はグループ会社内で整理していくものだ。

組合 外注化を進めたのはJR本社だ。JRからの出向者もいる。出向先の会社がどういう状況でもいいというのか! グループ会社でうまくいっていないから交渉に来ているのだ。

会社 うまくいっていない認識はない。

組合 安全確保のために要員を配置しているはずだが、確保できていない。休勤の多発は安全上の問題だ。

会社 基本的には必要な要員は確保していく考えだ。安全、要員の問題はグループ会社の中で整理されていくものだ。本社からどうということは考えていない。

組合 4ヶ月続いている。こんな外注化体制を維持することは間違っている。

会社 外注化で特段問題が発生しているという認識はない。休勤は様々な事柄から発生している。

組合 突発ではなく常態的に発生している。業務上の必要な要員が確保されていないということだ。

会社 CTSともやり取りしているが、業務運営が出来ない等の相談はない。

組合 安全問題なら車輪転削作業はどうか。幕張では1番古い人で2年目の人たちで、ほとんどは1年目の人がやっている。誰が次の人を養成するのか? それが安全上いい状態なのか。

会社 安全に関してもグループ会社の中できちんと行われていると考えている。指導できるようなことがあれば指導していく。

組合 千葉支社に言っても、本社施策だから回答できないという。本社が責任を持って回答するべきだ。

会社 作業についてはグループ会社で行っている。この場での回答はない。

組合 例えば転削作業の安全問題はどこで交渉しろということか?

会社 委託作業については採用も含めてグループ会社で責任を持って行うべきだ。

外注化で将来展望が見えないのは本社の責任だ!

組合 外注化は本社の施策だ。将来展望が見えずに辞めていくことは本社の責任だ。

会社 サポートはするがグループ会社内で行われていくものだ。

組合 危険なことをやっていても業務が回っていればいいということか。

会社 グループ会社から相談や要望があれば協議の上で変えていくこともある。グループ会社が現状で委託業務を受けられるというならグループ会社内で行われるものだ。

組合 CTSと同じように、他グループ会社も退職が多いのか。

会社 特段の話は聞いていない。

組合 退職が止まらないなど本社に言うわけがない。CTSでの退職者について直接聞いているのか。

会社 申し入れを受け取った際に千葉支社に話を聞いた。

組合 問題の原因を調べないのか。

会社 本社は施策全体として把握している。

管理者ばかりが増えている!

組合 10年でプロパー社員の体制ができなかったらどうするのか。

会社 出来なかったらではなく、業務効率化を含めてできるように進めていく。結果的にグループ会社とJR本体の業務がいずれ融合して、より効率的な業務ができるように検討していかなければならない。

組合 本社も支社も「10年で絶対やります」といった。休勤したくなくても出ないと回らない。仲間に迷惑がかかるから仕方なく出ている。それを悪用して仕事を回している。少なくともこの現実を解消すべきだ。

会社 要員について主張は受けとめる。委託業務はグループ会社の責任で行うものだ。

組合 それが出来てないから交渉している。外注化で管理者だけは倍になった。CTS本社にも数年前に新しいポストが出来た。現場はどんどん少なくなっている。

会社 外注化で助役・作業責任者が増えている現実はある。ポストはグループ会社の中で必要な配置をしている。あくまでCTSの中の話だ。

組合 管理者の人件費もJRからの委託費だ。管理者はみんなJRからの出向者だ。

会社 人件費と委託費の関わりはある。委託している業務の中で効率を考えてグループ会社でやることもあるし、本体でやることも今後はある。

希望者を70歳まで雇用しろ!

組合 人が足りない中で高年齢者雇用安定法が改正されて70歳までの雇用が努力義務になった。どう考えているのか。

会社 高齢者が働き続けられる環境を整えていく上で必要な対応は検討していく。現時点でいつまでにとは答えられない。

組合 現場の実態を本社としても受け止め、10年でできないのなら元に戻すことも会社としての責任だ。現場に休勤でしわ寄せをすべきではない。70歳までの雇用はその人の人生がかかった問題だ。業務的にも65歳以上の雇用を早急に考えなければパンクする。具体的内容が出てきたら組合にも提示すること。

会社 お話は伺った。CTS、千葉支社にこの交渉の議論の中身をきちんと伝える。

(以上)