2021年4月29日木曜日

外注化阻止ニュース 第527号


乗客骨折でも事故防止より
ワンマン優先のJR東日本

 動労千葉は4月8日にJR千葉支社と団体交渉を行い、3月16日に外房線・太東駅でワンマン列車から降車しようとした男性が骨折した事故について追及しました。

乗客骨折よりワンマン優先なのか?

 乗客が転倒したのは2両編成の後方車両、一番後ろのドアです。車掌が乗務していれば見えた位置です。ワンマン運転でなければ起きなかった事故なのです。しかし会社は「(運転士は規定通り対応しているから)全く問題ない」「乗客が悪いわけでもない」と回答しました。
 ワンマン運転を強行したことで事故を引き起こした会社に責任があることは明らかです。しかし、「安全は確保されている」と居直るだけでなく、「今回のような事故はまた起こりうる」とまで言っているのです。
 事故よりワンマン化を優先というのでしょうか? 絶対に許されません!
 また、報道発表しないことについて「社内の状況を加味した」「内容は言えない」と回答しました。運転士のミスは些細なことでも公表するのに、ワンマン化推進のために都合が悪いことは隠ぺいする。卑劣です。

ただちにワンマン運転の中止を

 会社が回答した対策は「運転士に車内放送でドアが閉まる案内をさせる」です。またもや運転士だけに負担と責任を押しつけています。
 ワンマン列車も通常列車と運転時分は変わりません。運転士の取り扱い業務が増え、半自動ドアのために乗降がスムーズに行かず、何もなくても遅れが続く状態となっています。
 今回の事故は、委託駅とはいえ駅員がいました。無人駅で同様の事故が起き、夜間などで運転士が気づかなければ、乗客が放置されることにもなりかねません。このような重大事故を起こした以上、会社はただちにワンマン運転を中止すべきです。


3/16太東駅での転倒・骨折事故の経過

◎事故は13時32分ころ外房線太東駅で発生
◎列車は131系2両編成、上総一ノ宮行

▷列車は所定時刻より6分遅れて駅に到着。
▷停車時分を経過した後、運転士が乗降終了を確認してドアを閉めた。
▷ドアが閉まるタイミングで降車しようとした乗客の荷物にドアが引っかかり転倒した。
▷運転士がモニターを確認したところ、倒れた乗客を見つけた。再度ワンマンスイッチでドアが開けられる状態にして救護に向かった。
▷救護中に駅員(JESS社員)が来たので、その後は駅員が対応した。
▷列車は所定時刻より9分遅れて駅を出発。
▷倒れた乗客は救急車で病院に運ばれた。

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