2022年6月1日水曜日

闘いなくして安全なし No.352


5/22 外房線・線路上の倒木と衝突
2/17 内房線・倒木でパンタグラフ破損

ワンマン運転ただちに中止を

約11時間にわたる運転見合わせ

 5月22日午前6時35分頃、JR外房線・御宿―勝浦駅間で、下り普通電車(8両編成)が線路内の倒木に衝突し、約11時間にわたって運転見合わせとなりました。
 運転席の前面ガラスにひびが入る事故でしたが、幸い乗務員・乗客にけがはありませんでした。乗客は約8百㍍離れた御宿駅まで歩いて移動し、大原―安房鴨川駅間では代行バスが運行されました。

内房線では倒木でパンタグラフ破損

 2月17日には内房線・千倉~千歳駅間でE131系4両編成が沿線の倒木と支障し、先頭車両のパンタグラフが大きく破損しました。
 千倉駅を発車後、走行中に運転士が空転を感じてノッチをオフにし、千歳駅まで惰行運転を行いました。駅で車両点検を行い、パンタグラフ破損が発見されました。
 検査派出の廃止・縮小の中で、第1陣は千葉派出から約2時間かけて到着しました。対応は午後を過ぎても終わりませんでした。

ワンマン運転拡大は安全放棄

 今回どちらの事故も、ワンマン運転ではありませんでした。また、内房線の場合では惰行運転で千歳駅まで到達できたため、線路上での乗客の誘導は発生しませんでした。
 外房線の事故の場合、事故直後から車内放送で乗客への案内が行われました。しかし、ワンマン運転だった場合、そういった乗客対応や事故対応・安全確認、一つ一つの判断などを運転士一人で行うことになります。
 ワンマン運転は、ただでさえドアの開け閉めや乗客対応など、運転士が一人で神経をすり減らして運転せざるをえません。
 とくに事故の際には、緊張や混乱が生じます。普段と同じ状態で対処できるわけではありません。ワンマン運転の負担は2人で対応できる時とは桁違いに重くなります。
 列車の安全は運転士と車掌とで守っています。運転士への全責任の押し付け、負担の増加は安全破壊に直結します。ワンマン運転拡大・車掌削減は鉄道の安全放棄です。

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