2011年3月5日土曜日

1047名「雇用確保」をめぐって

裁判上の和解が成立した昨年6月28日以来、国労本部など4者4団体は「解決報告集会」と称して、全国100カ所を超える集会を開催しています。
 国鉄闘争共闘会議議長である二瓶久勝氏(オリジン電気出身)は、機関紙『がんばれ闘争団ともにGO!』NEWSで2号に渡って「『雇用確保』は政治解決の最後の課題」「政治解決で早期に『雇用確保」を実現し第二の人生のスタートを切ろう」と述べています。ここでは、「4月9日の解決案には、当時の四党の幹事長と、国土交通大臣、財務大臣、内閣官房長官の自筆入りの署名がしてあるのです。この約束を反故にすることはできません」と、3月31日を期限とした雇用確保が確実だとし、4月1日に社会文化会館で報告集会を開くとしています。
 しかし、果たして「4・9政治和解」文書にそのような約束は盛り込まれているのでしょうか。正式に調印された和解文書には、「JRによる採用を強制することはできないことから、人数等が希望どおり採用されることは保証できないこと」「一審原告ら及び利害関係人らは、国鉄改革に伴う新企業体への不採用に関する不当労働行為及び雇用の存在について、一審被告に対して今後争わない」という条項があります。そうである以上、雇用は100%政府への白紙委任であり、完全に放棄されたと言わなければなりません。
 二瓶氏は、「政府がJRの肩代わりをして、金銭的には解決したのです。従って、今度はJRが『雇用確保』に協力すべき番なのです」「人道的見地」「社会的・道義的責任がある」と言います。しかし、「人道的見地」「社会的・道義的責任」とは、国家的不当労働行為によって1047名を解雇した責任を不問にし、その加害者であるJRにお願いするというものであり、とことん解雇された国鉄労働者をおとしめるものでしかありません。そして、そもそもJR北海道・九州などの株式は分割・民営化から24人が経過した今なお100%政府が持っているのであり、「政府がJRに要請する」というのは、自分で自分に要請するという茶番でしかありません。
 このように4者4団体が4・9和解に応じた結果、すべての裁判は取り降ろされ、闘争団員は生活援助金も失い、物販もできなくなりました。しかも、今日に至るも闘争団員への和解金分配すら完了していない状態です。
 他方で、国労本部は「4月1日にJR(関連)社員でない者は組合員ではなくなる」として、闘争団員の切り捨てが強行されようとしています。絶対に許されません!
 こんな状態のまま4月1日を迎えるわけにはいきません。和解に応じた国労闘争団員の中からも「本当に帰れるのかよ、という気持ちがある」「闘争を継続していた方がよかった」という声が出始めていると聞きます。今こそJRの中に新たな国鉄全国運動を広げましょう。そして「国鉄方式」での解雇が、社会保険庁、日本航空と相次いでいるからこそ、国鉄闘争は絶対に負けられない闘いです。
力を合わせて、1047名解雇撤回をかちとりましょう!

「房州鉄道研究会」より転載