2011年3月20日日曜日

日刊動労千葉 第7124号

「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」

経団連会長発言弾劾!

すべてを引き受けて闘おう

 これが資本の本質だ!

 16日の記者会見で、日本経団連会長の米倉は、福島第一原発の事故について「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」「事故は徐々に収束の方向に向っている」「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と語った。なんということか!
 打つ手もほぼ手詰まりになった状況のなかで、6基の原発がメルトダウンしようとしているのだ。露出した核燃料から高濃度の放射能が大量に放出され続けているのだ。何十万人という住民が脱出することもできず、周辺の避難所にいるのだ。
 これが資本の本質だ! 何万人、何十万人を被曝と死の危険にさらそうが「素晴らしいことだ」と言うのだ!

消された報道

 津波に襲われた福島県南相馬市長は、「爆発しては海水を入れて冷却する。同じことを繰り返し、対応は後手後手。対応の遅れは東電が廃炉を躊躇(ちゅうちょ)したからだ」「海水を入れると廃炉になる。1号機の事故の後、ほかの炉にも海水を入れて冷却するべきだった。1号機以降の事故は人災だ。住民はメルトダウン寸前なのにと、恐怖におののいている。逃げ出したいが移動手段がないし、行く場所もない」と怒りをあらわにしている。
 しかし、今日に至っては、原発事故の報道はテレビニュースからもほとんど消されてしまった。完全に報道管制がしかれたのだ。

くやしさをバネに!

 われわれも、原発の危険性を指摘し、政府の原子力政策を批判しながら、それを止める力をもつことができず、この事態を招いてしまったことが本当にくやしい。
 電力資本と一体となって原発建設を推進してきた連合は、原発事故について完全に沈黙したままだ。労働組合が資本の手先になり、政府の手先になったときに何が起きるのか。われわれはその恐ろしさを今、体験しているのだ。
 われわれ自身が原点にかえり、
生き抜くために全力を尽くして闘わなければならない。

今日も続く無為・無策

 確認された死者の数は6500人をこえた。行方不明者も報告されているだけで1万人。だが、死亡・不明の確認すらできない市・町・村が多数ある。
 統治能力を失った政府の無為・無策ぶりは今日も続いている。被災者が収容されている主要な病院への医薬品の搬送すらできていないのだ。
 壊滅的な被害を受けた地域は、若者は都会に働きにでざるを得ず、高齢化が進んだ地域だ。避難している方々の多くが高齢者で持病を抱え、薬がないことが致命的になる。多くの人たちが薬が必要だと必死に訴えているが、未だ何の対策もとられていない。

全てをひき受けて闘おう

 今回の大震災をめぐって起きていることの全てが、われわれのもてる力を遥かにこえた事態だ。この時こそ原点に返らなければならない。第一に、全国のもてる力を結集して被災地を支援すること、第二に、全てを一変させようとしている事態、労働者への全面攻撃に備えて具体的に闘いを開始することだ。
 これからどんな事態が進行しようが、全てをひき受ける構えをもった闘う労働組合が絶対に求められる。われわれがそういう存在に飛躍しなければならない。その力は全国の労働者の怒りの声と結びつくことによって生まれる。その団結した力を信じることによって生まれる。核心は、破産した新自由主義政策の極致とも言える攻撃との闘いだ。立ち上がろう!

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