2017年11月8日水曜日

日刊動労千葉 第8359号

車掌大合理化、
入出区の全面外注化・乗務員の労働強化、
乗務手当廃止阻止!
10月ダイ改をめぐる攻撃の本質

http://doro-chiba.org/nikkan_dc/n2017_07_12/n8359.htm

 10月ダイ改では、水戸支社において重大な攻撃が画策されていた。常磐線特急車両の1人車掌化、水郡線ワンマン運転拡大、水戸鉄道サービス(MTS)への構内入出区の全面的委託強行。これらが分社化・転籍強制、第3の分割・民営化攻撃ヘ突き進む出発点だったことは明らかだ。
 しかし、会社は現場労働者の激しい怒りの前に、これらの施策を提案すること自体できなかった。

大合理化・外注化・転籍強制への攻撃

 東労組はこれを「大勝利」と宣伝している。だがその裏で、提案すらないまま常磐線特急の車掌1人乗務の行路が組まれ、現実には強行されているのが実態だ。東労組はそれを受入れている。それを、「2人乗務を基本と確認」「全列車2人乗務にするために抜本的な行路の見直しが必要」という言い方でごまかしているだけなのだ。
 車掌の要員不足は、東労組が駅業務の外注化に積極的に加担したことの必然的な結果だ。駅業務が外注化されれば車掌のなり手がいなくなっていくからだ。
 「エルダー本体枠拡大」も一時的に矛盾を乗り切る手段にすぎない。外注化という根本的な問題を解決しない限り、職場に大幅な人員削減と労働強化が襲いかかることは明らかだ。単に行路を見直して解決する問題ではない。
 それは、運転士についても同じだ。すでに千葉支社以外では運転士も休日勤務でようやく勤務が回っている。千葉でも遅くとも数年以内、早ければ来年度にもそういった状況に陥る状態だ。
 会社が3月ダイ改で再び特急車掌の1人乗務化を画策することは間違いない。山手線のワンマン化―無人化などを皮切りに東日本全体に攻撃を拡大し、数百人規模での人員削減を狙っているのだ。
 さらに、外注化拡大についても「確認メモ」では、東労組本部と会社との間で「結論を得るべく精力的に議論する」というだけだ。会社への批判も「ダイ改以前に新たに提案されるべき」「進め方に問題がある」「エルダー本体枠拡大の議論中は認められない」といっているに過ぎない。
 構内入出区の全面的外注化の強行は、運転士の深刻な労働強化を意味する。本線運転士が入出区をやらなくなれば、その間に本線乗務をさせられるようになるからだ。会社は「ハンドル率向上」を掲げ、乗務員への労働強化を毎年のように行ってきた。乗務中に運転士が倒れる事態が相次ぐなど、職場はすでに限界を超えた状態だ。そこからさらなる労働強化を行おうという攻撃なのだ。

東労組幹部の裏切り許すな


 これらは会社のあり方を抜本的に転換する大攻撃の始まりだ。すでに会社は自動運転を本格的に推進するためのプロジェクトチームを立ち上げている。そして、「技術的には無人運転も可能なのに乗務員に特別に手当を払う理由はない」と、乗務手当廃止まで狙っているのだ。
 徹底した乗務員の人員削減と労働強化。その先に待っているのは別会社化と転籍強制の攻撃だ。労働者を選択の余地のない形に追い込んで、転籍を強制していく。その外堀を埋める、重大な攻撃が開始されているのだ。
 だが、東労組はこの攻撃の本質と重大さを完全に押し隠している。それは東労組幹部が会社との結託体制の回復を最大の目的にしているからだ。
 これまでも東労組は特急列車の1人車掌化を事実上容認してきた。今回それを問題にしたのは、合理化に反対なのではなく、会社が東労組幹部を無視・抹殺して進めようとしたからだ。だから「確認メモ」でも「東労組と協議・議論して進める」ということが繰り返し確認されている。これが東労組幹部にとって、1人車掌化や外注化を阻止することより重要な事なのだ。
 同時に、東労組が会社と「対立」したのは現場労働者の怒りの激しさが東労組幹部を突き動かしたからでもある。会社が施策実施を見送った背景にあるのは、東労組と会社の結託体制の崩壊だけではない。現場労働者の激しい怒りが事態を動かす決定的な力だったことは間違いない。東労組幹部の制動を破って怒りが爆発することを、会社も東労組幹部も恐れているのだ。だからこそ東労組幹部は攻撃の本質を一切明らかにしていない。職場に全てを明らかにすることで、会社との対立が非和解的になることを何より恐れているからだ。
 結局、東労組幹部が言いたいのは「自分たち幹部だけは切り捨てないでくれ」ということだ。一部組合幹部が会社とうまくやるために組合員を騙して権利を売り渡す、許し難い裏切りに手を染めようとしているのだ。乗務手当廃止阻止! 車掌の大合理化、入出区作業の全面外注化、乗務員の労働強化を許すな! 東労組幹部の裏切りを許さず、あらゆる職場から絶対反対の声をあげよう。