2018年6月28日木曜日

外注化阻止ニュース 第377号

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保育士の怒りがストに発展!
ストライキ構えて保育所を変えた

 ストライキに関する報道が増えています。最近では、岡山では両備バス労組が、長崎で海員組合が雇用の維持や労働環境の改善のためにストライキを実施しました。
 こうした中で、劣悪な労働環境が問題となっている保育所でもストライキの動きが起きています。低賃金と過酷な労働環境の悪循環で保育士不足は深刻化しています。

低賃金とパワハラで職場崩壊

 ストライキが準備されたのは、宮城県の保育所。運営する株式会社は都内で数十の保育所を展開しています。この保育所は、賃金は基本給が14万円。そのうえ園長のパワハラがひどく、保育士が全員退職したこともあるそうです。
 「あなたがこの園の方針に従わないから」「辞めさせようと思えば辞めさられる」と1時間以上も園長が叱責することもあり、園長の気分で方針が変わり現場は混乱。
 保育士への教育や指導も適切になされない結果、「えずくほど大量の食事を子どもに口の中に入れる」「昼寝時間中、子どもと一緒に眠ってしまう」など保育環境が崩壊する結果に陥ったのです。

辞めるのではなく労働組合の力で

 保育士たちは辞める選択肢も考えたそうですが、労働組合の存在を知り、「いい保育園にしたい」との思いで仲間を募って組合に加入。要求書を提出し、団体交渉を開始しました。
 団体交渉の結果、園長のパワハラは改善されましたが、賃金未払いや保育の質について不誠実な対応を続けたため、労働組合は市役所への申し入れや、保護者への署名運動で園に改善を 迫りましたがまたも無視。やむなくストライキを決意し、予告したのです。
 ストを安全に実施するために、実施日にはできるだけ子どもを預けないよう保護者に呼びかけ、労働組合側で保安要員を配置するなど体制も整えました。
 すると、市役所は強く指導を行うと約束し、運営会社はスト実施前に改善案を労働者に提示しました。未払い残業代はタイムカードの通りに支払い、休憩時間もきちんと確保し、パワハラを止めることなどを約束させました。


 保育士たちが獲得した労働条件は、労働基準法で定められた最低水準のものですが、保育士が団結し、園・会社と対等な話し合いの相手として認めさせたことが何よりも大きいと報告されています。

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