2018年6月7日木曜日

外注化阻止ニュース 第374号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka374.pdf


増え続ける輸送障害 減り続ける現場人員
乗務員激減を狙う「乗務員勤務制度の改悪」

 近年、JR各社における事故や輸送障害がクローズアップされています。
 「輸送障害」は、列車の運休や旅客列車の30分以上の遅延などを指すものですが、2016年度の輸送障害の件数(百万㌔当たり)はJR東で5・86。大手私鉄15社の平均は1・26。実に私鉄の4倍超の発生率なのです。
 輸送障害の原因には、動物との衝突など自然災害も含まれますが、「部内原因」が増えているのです。人員不足や外注化、技術継承の失敗などが背景として指摘されています。

JRは30年で要員数は半分に

 実際どの程度、現場で働く人の数は減っているのか。1987年度に約16万4600人だったJR7社の現業部門(現場)の職員は、00年度には約11万6千人、15年度にはほぼ半分の約8万7千人に減少しています。
 逆に本社部門は増えています。87年度に約2万7千人だった本社部門の人数は15年度には約3万人まで増えているのです。
 他方、私鉄・公営は、87年度に約8万7千人だった現業部門の人数は、15年度に約7万人に減少している状況です。
 国鉄分割・民営化の過程で約20万人が職場を追われただけでなく、82年を最後に91年まで新規採用もストップしました。さらに2000年前後からの外注化が状況を悪化させています。結果的に、駅務員・車両・電気・工務部門などで職員数が激減したのです。
 鉄道トラブルの多発を受け、国土交通省の記者会見で石井大臣は「一連の事故や輸送障害の背景には、設備の老朽化・複雑化に加えまして、現場要員の高齢化や若手技術者の不足等の構造的な問題もあると考えられる」(17年12月19日)と述べざるを得ない状況なのです。

乗務員の激減を狙う会社提案

 乗務員の勤務は、列車を安全に運行するために拘束時間や継続乗務時間が厳格に制限されています。今回、会社が提案した乗務員勤務制度の大改悪は、短時間行路を設定して、それを乗務員勤務の扱いではなく、通常の「日勤」「変形」「交代勤務」で乗務させるものです。
 これをワンマン化や無人運転と一体で進めようとしているのです。乗務員の要員激減や運転士の負担増は明白です。


 東労組の解体と一体で進めるJR東日本の施策は、乗務員の生命も鉄道の安全も顧みず、効率化・利益を優先するということです。
 今こそ、当たり前の現場労働者の感覚で声をあげる労働組合が必要です。職場全体で反対の声を上げよう。

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