2019年6月20日木曜日

闘いなくして安全なし No.216

https://www.doro-chiba.org/ga/tn216.pdf


「運転士・車掌廃止」提案を撤回しろ!
シーサイドライン事故で
自動運転の破綻は明らかだ

 ジョブロー テーション提案は、「自動運転もできるのだから運転士・車掌という特別な職名や手当は必要ない」という前提にたっています。しかし、その前提は完全にウソだとはっきりしました。

ジョブロー テーション提案の前提はウソだった

 シーサイドライン事故の直接の原因はケーブル断線だと考えられています。モーター制御装置に指令を伝える2本のケーブルのうち、「前進」を指示する線の断線が確認されました。モーター制御は、「前進」「後進」のどちらの信号もない場合、直前の状態を維持する設定でした。ATOは「前進」側に進行方向を切り換えましたが、モーター制御は「後進」のままでした。
 ATCは後退検知を搭載していましたが、進行方向の検知に断線したケーブルを利用していました。断線で進行方向が判別できず、「後退」を検知できませんでした。そして、車止めに加速しながら衝突するという衝撃的な事故が起きました。
 まともに安全を守れるシステムではなかったとしか言いようがありません。なぜこんな不完全な状態で運行され続けたのでしょうか? シーサイドラインの「新交通システム」は導入コストが安いことが特徴です。合理化は資本の論理で行われる以上、自動運転には削減できる人件費以上にコストはかけられません。その矛盾はケーブル断線にも直接関わっています。目視確認は4年に1度で、運行会社は「多数の配線すべてを確認することは困難」だといいます。より徹底した検査とそのための人員が必要だったということです。

安全より金儲けを優先するな!

 この事故は自動運転でなければ絶対に起きませんでした。運転士なら仮に逆走してもただちに非常停止をかけたはずです。どんなシステムを導入しようと、最後に安全を守れるのは現場労働者だけなのです。山手線でも、現在の自動運転路線よりはるかに複雑です。膨大な乗客がいる中、同様の事故が起きれば大惨事です。運行停止や間引き運転でも大混乱は避けられません。ローカル線にいたっては、コスト上も路線条件からいっても完全に不可能です。
 「自動運転もできるのだから運転士・車掌という特別な職名や手当は必要ない」という前提は完全にウソでした。鉄道の安全より、労働者の権利破壊と人員削減、利益追求を優先するなど言語道断です。JRは「運転士・車掌廃止」提案を今すぐ撤回しろ!

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