2021年9月8日水曜日

闘いなくして安全なし No.320


専門性軽視で業務崩壊
「ジョブローテーション前提」の正規公務員
専門性ゆえに非正規化される自治体職場

 コロナ禍で失業や倒産が相次ぐ中、自治体の相談業務の重要さは高まっています。
 一方で非正規化も進められてきました。その中で相談員の43%が賃金の低さ等を理由に「仕事を辞めようと思ったことがある」と回答しています(大阪弁護士会の調査)。
 「相談崩壊」といわれる危機的な事態です。非正規化は、職員の退職と業務崩壊の危機をもたらすのです。

拡大する非正規公務員


 公務員の非正規化は、保健所を含めあらゆる自治体職場で拡大しています。業務の専門性への軽視は、その理由の一つです。
 例えば自治体の相談業務にはDV、児童・高齢者虐待、ストーカー、障害者支援、生活困窮者の自立支援、自殺対策などさまざまな課題があります。
 相談者を適切な対応策と支援部署につなげるには専門的な知識と経験、資格などが必要です。しかし、「周辺的な業務」「片手間でやる仕事」と軽んじられてきました。
 それが非正規化を促進し、「相談崩壊」を引き起こしているのです。

ジョブローテーション前提が職場を破壊


 正規公務員を数年で異動のジョブローテーションを前提に運用し、「ジェネラリスト=何でも屋」とすることも原因です。
 自治体には様々な業務があり、それぞれに経験や資格が必要な専門性があります。
 しかし数年で異動を前提にした正規公務員は、専門的な資格を活かせる職場に留まることを期待されません。そのため専門的な資格や技術・経験が必要な仕事に、異動がない非正規職があてられていきました。
 「経験年数の浅い非専門の正規公務員と、専門的な技術・資格を持ちながら低賃金・不安定雇用の非正規公務員」という職場が拡大し、職場を破壊していったのです。

JR「融合化」に反対の声を


 JR東が進める「融合化」やジョブローテーションの狙いは、要員削減と乗務員を含めた外注化・非正規職化です。それは鉄道の崩壊をもたらします。鉄道業務を軽んじて利益だけを優先するなど許すことは出来ません。

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