2012年8月6日月曜日

動労水戸 被曝労働阻止 大子スト続報

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除染作業指示に時限ストを構え、
闘争を継続中!
JR水戸支社、被曝汚泥の隠ぺい図る

被曝労働強制と外注化に怒りのスト決起!

 動労水戸は7月30日、常陸大子運輸科での気動車のラジエター除染作業に反対し大子支部総決起でのストライキを決行した。この日、ラジエター除染作業は要員不足のため中止に追い込まれた。また、ストに入る運転士の代替えをめぐり、青年労働者がスト破りを拒否する事態が生まれている。動労水戸の闘いによって、青年労働者の被曝労働・外注化への怒りがついに解き放たれようとしている。
 31日からは、車両職の組合員が除染作業のみを拒否する時限ストに突入した。ラジエター除染作業の指示が出た場合に即刻ストに突入するという、前例のない闘争が始まった。大子支部の仲間は「青年労働者への被曝労働を絶対に止める」という強い決意で奮戦している。全国の仲間から檄文が寄せられ、3日には常南交通労組の仲間がスト激励に訪れた。全国の労働者が動労水戸の闘いに注目し、熱い連帯を送っている。

被曝労働の事実を隠ぺいするJR水戸支社

 こうした中、JR水戸支社は被曝労働の強制に加えて重大な「隠ぺい工作」を行っていることが発覚した。
 1日、現場労働者の放射線測定によって、ラジエター除染を行っている場所の排水溝(溜マス)の線量が、作業前の0・12マイクロシーベルト毎時から0・4に上昇していることが明らかになった。この事実を現場で追及するとともに水戸支社に抗議すると、2日の早朝に課員2名が来て線量を測定し、「組合側の測定の方法に誤りがある。排水溝は0・4だが腰の高さでは0・1で空間線量に問題はない」と言い、なんとその日の作業を青年労働者に指示したのである。
 しかも、この日の作業終了後に、突如として水戸支社車両グループ副課長、大子運輸科長、助役によって溜マスの泥を除去す業が行われていたのだ。組合員がこれを発見し追及すると「泥が詰まったから掃除しているだけだ!」と猛然と開き直った。「ラジエターを洗っても線量は問題ない」とこれまでさんざん言っておきながら、いざ作業を強行すると線量が上がったことを隠すために汚泥を流してしまおうとする会社のありよう。まさに証拠隠滅だ!(この副課長は昨年勝田車両センターに搬入された被曝列車K544のフィルターを素手で外し所長室に隠した人物であり、10・1検修外注化の責任者の一人だ)。
 またこの間の除染作業は、写真にのようにカッパも防護メガネも着用せず行われている。マスクの種類もバラバラ、作業着も半袖で水しぶきがかかりっぱなしだ。「カッパ、メガネ、防塵マスクを着用するから問題ない」と言っていたのはどうなったのだ!「テスト洗浄」と称して完全防備でやっていた事実はどこに行ったのだ!放射能の不安を訴える現場労働者に対し、きちんと装備を支給し安全指導を徹底するのではなく、全く反対に「このくらいの作業は問題ない」とばかりに何事もなかったかのように作業を行わせるのがJRなのだ!動労水戸は本日水戸支社に対して緊急の申入れを行った(裏面参照)。JRはラジエター清掃が「除染作業」であることを認めろ!現場労働者、とりわけ青年への作業強制を即刻中止しろ!
 起こっている事態は労働組合が全力をあげて闘うべき問題だ。東労組常陸大子支部は、これまで現場組合員の怒りに押され「安全が確保されなければ清掃作業はやらない」としてきたが、24日に会社が作業を強行することを表明すると、27日の支部大会で支部長が「作業に協力する」と会社の方針に屈服した。運転士の青年たちが自主的にスト破りを拒否する中で、このリーダーの体たらくは一体何なのか!現場の労働者がまともな装備もつけず作業を強制させられているのを見ても何とも思わないのか!
 被曝労働への労働者の怒りは「俺たちは使い捨てのモノじゃない!」という当たり前の思いだ。被曝と出向を強制し、労働者をモノのように扱うJRに対し、今こそ共に腹の底からの怒りを叩きつける時だ。被曝労働阻止の闘いを、10・1外注化阻止の前哨戦として徹底的に闘いぬこう!

 


動労水戸申第4号
2012年8月3日

東日本旅客鉄道株式会社
水戸支社長小池邦彦殿

国鉄水戸動力車労働組合
執行委員長石井真一

E130系車両のラジエター清掃の中止を求める緊急申し入れ

 去る7月30日より水郡線営業所運輸科では、放射線被曝による健康不安を訴える社員の声を無視して、気動車のラジエター清掃作業が強行されているが、案の定、この日の作業終了時点での排水溝付近の放射線量は0.4μSv/hと格段と高いものとなった。ラジエターの清掃作業は翌日以降も強行されたが、その一方で、8月2日には現場の社員には何の説明もなく、支社車両グループリーダー、現場長及び管理者によって、突如として排水溝の汚泥の撤去作業が行われた。
 これは、何を意味するのか。ラジエターの清掃作業を行う中で付着していた放射性物質が排水溝にたまり線量が上がったのではないか。その事実が明らかになったらそれ以降のラジエターの清掃作業がたちいかなくなることを恐れた管理者たちが、事実を隠蔽するために行ったのではないか。それは、管理者自らが突如泥だらけとなり慌てふためいて作業している姿に現れている。
 われわれ動労水戸は、ラジエターの清掃作業は放射線被曝の危険があると、幾度となく強く指摘し作業の中止を要請してきたが、会社が強行したために争議行為となることが余儀なくされた。この争議に対し中止するよう申し入れてきた会社が行ったことは、問題解決のための争議回避の努力ではなく、あろうことか水戸支社の組織ぐるみによる放射能の隠蔽工作だった。これは重大な問題である。また、争議行為回避義務を果たさず、争議の都度行われる水戸支社の争議行為中止の申し入れは、明確な支配介入であり不当労働行為である。争議行為中止の申し入れを撤回することを要求する。
 会社には社員の健康を守る義務がある。排水溝の放射線数値が高いことから、ラジエターに放射性物質が付着していることは明らかであり、社員を被曝の危険にさらすこの愚行に対し厳重に抗議するとともに、直ちにラジエター清掃作業を中止することを申し入れる。

以上

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