2013年3月26日火曜日

動労水戸 3.25時限スト決行

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JR水戸支社、内部被曝を無視し命と安全への責任を放棄
被曝労働阻止! 3・25時限スト決行

 動労水戸は3月25日、放射能による内部被曝対策を全く無視したJR水戸支社によるK544編成の検修作業に反対し、勝田車両センターで16時からの時限ストを決行する。一昨年の10月、会社は原発事故により広野駅に半年も放置されていた車両の搬入を強行し、動労水戸のストライキと現場労働者の猛反発により運用は中止されたままだ。労働者の生命と健康に対する徹底的な無責任に対し、絶対反対で闘わなければあらゆる放射能対策がなし崩し的に無視されていくことになる。原発事故の責任を取らない国と電力資本、それと一体となって「放射能安全キャンペーン」を推進し労働者に被曝を強制するJRに対し、命と安全を守るためにストライキで共に闘おう!

列車運用と労働者の命、大事なのはどちらだ!

 動労水戸は3月22日、K544問題をめぐって水戸支社と団体交渉を行った。交渉の中で、内部被曝について執拗に言及を避け、あたかも問題のないことのように取り繕っている会社の姿勢があらわとなった。会社はあくまでも「外部被曝の基準値」を持ち出し、「国の基準には達していない」「放射線量が除染が必要なレベルに達していない」と、あたかも外部被曝のみが問題であるかのような発言に終始した。内部被曝の問題については全く回答せず、終始沈黙のままというありさまだ。
 交渉の中で会社は「K544は車両運用上必要である」と主張しているが、実際にはE531系で代用ができるので運用に困ることはないのだ。K544を使用しなければいけない理由は皆無というわけだ。K544を使うのは「財産の効率的運用」、要するに「使える物は使う」ということなのだ。運用上必要のない車両を労働者に被曝を強制してでも使うことに1ミリの正当性もない。
 会社は、機器内に蓄積されているホコリやチリに放射性物質が含まれていること、さらには車両の移動や活車によってそのホコリやチリが舞い上がることを認めながらも、対策として行うのは当該作業者への「防塵マスクの配布」のみとするという。通常の交検でも床下作業者はマスクをしていてもうがいをすると真っ黒な痰が出る。「マスクだけでは不十分だ」というこちらの指摘に対しては、「100%とまではいかないが、ほぼ内部被曝(ホコリやチリの吸引)を防げる」と言っている。現場を知らない者の発言に他ならない。また、「希望者には防護服(白い紙製のつなぎ)を貸与する」と言っている。しかし、放射能の付いたマスクや防護服の廃棄処分については何も考えていない。会社は、「社員の不安を解消するために今回の冷却器取替を決定した」と言っているが、取替作業の際の内部被曝については全く責任を取ろうとしていない。車両センターの車庫内で検修作業や活車を行えば、屋内で放射性物質が飛散し車庫内までも放射能に汚染されることになるだろう。低線量内部被曝の害は、通常即座に現れるものではなく5年後10年後に現れる。だが、福島では既に複数の子どもから甲状腺がんが発見されている状況であり、取り返しのつかない問題なのだ。労働者とその家族、利用者の生命と健康について、このような対応を絶対に許すことはできない。

生命と健康に責任を取らない会社を許さない

 放射能の健康被害を軽視した会社の態度は、外注化・強制出向と同等の、労働者の生命や生活、安全についての責任を投げ出し、問題が起こっても誰も責任を取らないというものだ。内部被曝によって実際に健康被害が出た際に、一体どうするつもりなのだろうか?このような無責任さはまさに犯罪と言えるのではないだろうか。さらに、水戸鉄道サービス(MTS)の管理者は「JRが大丈夫と言っているから大丈夫」とまで言っている。JRの方は「国が大丈夫と言っているから大丈夫」と言い、そして原発事故を引き起こした政府も電力会社も誰一人として責任を取っていない。被害者になるのは常に労働者の側だ。政府も会社も「復旧・復興」の名の下に常磐線を広野まで開通させ、「原発事故収束」を宣言している。また今回の問題は勝田車両センターの仲間だけの問題ではない。乗務員・駅員・清掃労働者、さらには全般検査が行われる郡山総合車両センターの労働者にも関わる問題だ。いまここで声を上げストライキで闘うことが、JR全体、さらに被災地や原発で働く労働者の命運をも左右する。労働者の命と安全を守ることが労働組合の使命であり、動労水戸は放射能問題について妥協なく闘い抜く。労働組合として団結して闘うことでのみ、労働者は自分たちを守ることができるのだ。共に闘いに立とう!

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