2013年9月1日日曜日

動労水戸 自前でのプロパー育成放棄するMTS

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自前でのプロパー育成放棄するMTS
「研修・教育のための出向」はウソだった!

不当な「労働者飛ばし」に道開く就業規則変更

 水戸鉄道サービス(MTS)は、この間、「検修・構内業務に携わるプロパーの自力での養成ができないため、MTSからJRへの『逆出向』を行う」として急きょ就業規則を変更しました。しかも組合に対して提案すらせずに、MTSの各職場代表の「了解」を取ったとして、職場での掲示だけで就業規則変更を強行したのです。
 そもそもMTSの職場代表自体、動労水戸組合員を排除し、会社に都合よく決められたものであり、私たちはこのことを一貫して問題にしてきました。
 このようなデタラメを容認することは、MTS社員の問題にとどまらず、JRからの出向社員の将来も決めていきます。出向社員にも無関係ではありません。全面外注化でやられることが、今行われているのです。

 さらに、MTSは「今回の就業規則変更でJR東日本以外の会社にも出向させられる」とも言っています。JRや鉄道とは全く関係のない会社に労働者を飛ばすということも可能だということです。これほど重大なことを一方的に決めてしまうMTS。それに抗議もしない各労組。「労働者の思いなど最初からどうでもいい」と言っているに等しいではありませんか。絶対に許してはなりません。

「逆出向」が必要ならJRからの強制出向は不要

 MTSからの「逆出向」は、JR社員の強制出向の目的と真っ向から矛盾するものです。
 JRは「MTSの社員への技術指導・教育のため」と称して、昨年の10月1日にJR本体の労働者のMTSへの出向を強行しました。しかし、結局は技術指導の対象者もいない上に、自前で基礎教育のできないMTSは、プロパー社員をJRに逆出向させる以外になかったのです。外注化によって職場の労働者の団結を破壊し、業務を大混乱させながらも、JRの労働者をMTSに強制出向させた意味が根本から崩れています。
 こんな会社の言う「JRからの出向の期限は3年」も全く根拠がありません。大人しく3年後を待つ必要はありません。この事態は、JRが「3年後に戻す」と言っている職場・業務もさらに外注化して、最終的には出向者のMTSへの転籍をJRが狙っているということの何よりの証拠です。団結して闘い、デタラメをデタラメとしてはっきりさせない限り、私たち労働者の未来が閉ざされてしまいます。

会社の施策による安全の崩壊許さず共に闘おう

 今回のMTSの「逆出向」問題は、JRとMTSの鉄道業務に対する無責任、労働者の雇用と安全に対する無責任をよく表しています。
 MTSはプロパー社員を研修・教育していくと言いつつ、その実態はJRからの出向者頼み、JR本体頼みで、自分たちでは何一つできません。研修・教育のプランについてもMTSはこれまで何一つ明言したことはありません。まさに何も考えていない、行き当たりばったりなのです。
 今回会社が言うように、わずか半年で交検をマスターし、それからすぐに現場での仕業検査ができるでしょうか? 交検は検修の基本中の基本であり、ここをないがしろにして次のステップに進むことはできません。研修・教育だけでなく、現場で長く経験を積んでやっと一人前になれる仕事なのです。MTSの考えるプランがとうてい不可能なことは、検修労働者なら誰でもわかります。このようなずさんな体制でプロパー社員を養成し働かせようとすることが、結果として安全の崩壊と死傷事後の続発を招くのです。

 国鉄分割・民営化以降、鉄道業務の外注化は以前にも増して進められてきました。その結果、分割民営化以降の労災死の大半を外注会社の労働者が占めるという事態が起こっています。外注化によって労働者の命と安全への責任も含めて外注化し丸投げしてきた結果です。検修・構内業務の外注化が進めば、最悪の事態が私たちの働く職場の中でも起こりかねません。何が起ころうと会社は「労働者の自己責任」で逃げ切ろうとするのは目に見えています。

 先のK544の偽装交検問題の中で見えてきたことは何だったでしょうか。普段は「安全は輸送業務の最大の使命」だとか「コンプライアンスを守れ」と先では言ってきた会社が、最後は自分たちの方から検修のルールを踏み破って列車を運用するという事態でした。自分たちが決めたルールを自分たちの都合でいとも簡単に踏み破る会社のあり方。これまで私たちが安全のために必死で働いてきたのは何だったのでしょうか。労働者を舐めるな!と言いたい。
 このような会社が今度はまた誘導・構内計画業務の外注化を進め、再び自ら安全を崩壊させ、そのツケを労働者に押し付けようとしています。絶対反対で団結して闘う以外にありません。外注化阻止は鉄道労働者としての正義です。共に闘いに立ち、出向者全員をJR本体に取り戻すまで闘い抜きましょう!

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