2018年1月18日木曜日

外注化阻止ニュース 第354号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka354.pdf


尼崎事故とまったく同じ状況!
新幹線台車亀裂
「余裕ないダイヤが背景に」

 昨年12月11日、博多発東京行の新幹線で異音や異臭が確認されながら、3時間も運行が継続されました。台車枠の底面から両側面にかけて亀裂が生じ、残り3㌢で破断するところでした。

「運行時間や車両数に余裕がない」

 この問題について、JR西日本の社員から「運行時間や車両数に余裕が少ないことが背景にある」「5分でも遅れたら取り戻せない。遅れを東海に引き継ぐのには心理的な負担がある」という声があがっています。
 JR東海が管轄する東京―新大阪間では昼間帯で10分程度の余裕がありますが、JR西日本が管轄する新大阪―博多での余裕時分は数分程度といわれています。
 車両数でも東海道と山陽にまたがって運行する列車は、JR東海の133編成に対しJR西日本は40編成です。異常があった場合の対応が難しい状況なのです。

尼崎事故の体質「変わってない」

 05年4月の尼崎事故(福知山線脱線事故)でもダイヤの過密化・スピードアップのために余裕時分がとられていませんでした。安全より営利を優先し、わずかな遅れでも見せしめ的な「日勤教育」で乗務員を締め付けていました。
 その結果、わずかな遅れが運転士を追い詰め、107人が犠牲になる大事故が引き起こされたのです。
 営利優先の体質がいまなお続いていることが今回の事態で明らかになりました。
 保守担当の社員が「列車を止めて調査する必要がある」と考え、運輸指令に停車して検査するよう提案していたにも関わらず、「運転継続に問題はない」と判断されました。
 JR西日本の記者会見でも「遅延に対する恐れはある」「止めるのは勇気がいる」と現場社員への重いプレッシャーがあることを認めています。危険を感じても「列車を止めるべき」と労働者が言うことができない環境が作られているのです。
 JR各社は、新幹線のメンテナンス周期を延伸して、安全よりコスト削減を優先しています。その姿勢が事故を引き起こしたのです。

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