2020年9月18日金曜日

日刊動労千葉 第8845号

 安倍政権崩壊の示すもの
許しがたい悪業の数々

「20年新憲法」が破綻
 
 8月28日、7年8カ月の長期政権であった安倍が辞任を表明しました。辞任の直接の原因は持病の悪化によるものとされています。しかし、コロナ対策の失敗、経済危機の爆発、改憲に着手できない、1年延期した東京オリンピックもほぼ無理など、安倍にとってお先真っ暗の現実に打撃を受け精神的に消耗し、首相の座をまたしても投げ出したのです。次期首相は、安倍政権で官房長官をやり、安倍路線を継承する菅で確定と言われています。


安倍は「2020年新憲法施行」という歴代首相の中で唯一、改憲を政治日程にのせた首相です。野党を叩き潰し、改憲3分の2勢力を確保しながら、2020年新憲法施行は完全に破綻しました。これは、改憲・戦争だけは許さないという日本の労働者人民の底力です。

安倍政権がやってきたことは許しがたいものばかりです。特定秘密保護法、共謀罪、集団的自衛権行使の閣議決定と安保戦争法、消費税の8%~10%化、TPP推進、オリンピック誘致のための福島圧殺「アンダーコントロール」発言と帰還の強制・常磐線全線開通、辺野古新基地建設強行などです。しかも、森友、加計、桜を見る会、IR汚職、検察人事介入、河井夫妻の選挙買収、甘利など安倍友の不正・腐敗の数々、防衛省日報隠し、公文書偽造・・・どんでもないことをやってきたのです。

どこまでも改憲を狙う

9月11日には、専守防衛の安保政策を転換し、ミサイルが発射される前に相手国の基地をたたく「敵基地攻撃能力」の保有検討を促す「談話」を発表しました。辞める首相が戦争に関わる重要政策について「談話発表」し、次期政権に縛りをかける・・・どこまでも卑劣なやり方で改憲を目論んでいます。

安倍の改憲は同時に戦後労働法制の解体と一体ですすめられました。「非正規という言葉を一掃する」として成立した「働き方改革」関連法は、「労働基準法以来70年ぶりの大改革」として、労働者が闘い取ってきた権利を根こそぎ奪い尽くす、いまひとつの改憲攻撃として仕掛けられたのです。

そして、最大の狙いは労働者の団結破壊、労働運動の一掃でした。安倍は、UAゼンセンを使って連合の分裂をも画策し、2018年からはJR東日本における東労組解体に踏み出し、時を同じくして関西生コン支部への大弾圧を仕掛けることで「労組なき社会」を作り出すことにまで踏み込んできました。

安倍政権最大の「負の遺産」

安倍政権の最大の「負の遺産」は、アベノミクスの破綻です。世界中でも一番極端な日本の国家的な金融緩和政策は、この先どうしたらいいか、出口の検討がつかない、どこに着地できるかまったくわからない、節度のないものです。
国債を大量発行し、国がGDP(年間総生産)の約2・5倍の借金を抱え、それを日銀が買い取っている状態です。

コロナ情勢の中で、これから大倒産・大失業が始まろうとしています。中央銀行・日銀が買った国債=国の借金が最後はどうなるのか。ひとたび信用が崩れれば、日本の国債は国内でも国外でも見放され、国債価格は下落して、利子率があがります。紙幣の価値は暴落して大インフレになって物価が暴騰し、戦争で負けたときのようなハイパーインフレの状態になるといわれています。新たな国債の発行自体が困難になれば、国家財政は全面的な破綻状態となります。これにたいして、どう後始末をつけるのか。ひたすら破局に向かって突き進んでいるというほかありません。

安倍の所業や国家犯罪を絶対に許してはならない。破綻の責任を労働者に転化することを絶対に許してはなりません。労働者の怒りを解き放ち、現場から団結して闘う労働組合を復権させよう! 定期大会の成功から、11月労働者集会・改憲阻止!1万人大行進へ!


第50回定期大会の成功かちとろう!
9月26日(土)10時~ DC会館にて


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