2020年10月16日金曜日

日刊動労千葉 第8855号

9/17 209系スカート取付部の亀裂
E131系車両ATSーSNについて

 千葉支社団体交渉

「亀裂があっても走行に支障ない」
「構内は安全装置がないのが基本」?!
JRの安全無視ゆるすな!

9月17日、動労千葉は209系スカート取付部亀裂と新型ワンマン車両E131系にATS―SNが搭載されていない問題について、申58号に基づき千葉支社との団体交渉を行った。

○亀裂あっても運行に支障ない?!

組合 209系のスカート取付部の亀裂の問題は以前にも議論した。だが、その後も動物との衝突が多発し亀裂が新たに発生している。車両の強度の問題、亀裂のある車両を使っていいのかということを含めて、改めて議論したい。

会社として、亀裂の問題をどう対処する考えか。前回の団交時に、スカート取付部、車体側の亀裂は「差し支えない」と回答したが、根拠は何か。

会社 今もその状態で列車を運行できるという考えだ。

組合 亀裂の長さも関係ないのか。

会社 「長さ何㌢以上」という目安はない。運行に支障はないという判断だ。

組合 一方で、現場には支社からどんどん修理をしろと指示が来ている。矛盾しているではないか。

会社 走れるか、走れないかという判断だけだ。

組合 亀裂が入っている事自体が問題だと言っている。それで運用して良いのか。「問題ない」というなら「やらなくていい」ことになる。現場からすれば、どうなっているのかとなる。

会社 それは受け止める。

組合 申し入れから1ヶ月以上たっている。会社としてどうする考えか。

会社 引き続き、大宮、東京の総合車両センターにお願いしていく。入場申告で直してもらうことも継続する。

○「問題ない」のに「亀裂修理は週2回行え」?! 現場にしわ寄せするな!

組合 最近は毎週のようにスカート修繕が入ってくる。工場は火を扱う(ガス溶接)技術があるが車両センターにはない。やたらと火であぶると収拾がつかないことになる。厚さ2㌢の鉄板で挟んで圧力をかけて、取って状態を確認して、というのを何十回もやる。本当に重労働だ。だから、特に夏は隔週にするなどしていた。支社から「やれ」と指示しているのか。

会社 そういう指示はしていない。

組合 嘘はやめてもらいたい。職場では「今度は週2回、亀裂の修繕をやれと支社から言われた」と聞いている。

工場に溶接をお願いする際に工夫して修理してもらった車両は、またぶつかっても亀裂は入っていない。だが、スカート本体も取付部も曲がってしまう。その段階で引っ張って直せば綺麗にできる。それを放置してまたぶつかると曲がりがひどくなって、収拾がつかない。スカートを下ろしての修理になり、非常に手間がかかる。そうした実態を支社は把握しているのか。

会社 見てはいないが話は聞いている。

組合 どれだけひどいか見るべきだ。暑い中での作業は本当に大変だ。取付面の強化もやってもらいたい。

会社 総合車両センターと溶接の調整がつかずに直していけなかったが、そこは調整する。

組合 実際に行えるのか。

会社 件数が多く、大宮で都合がつかないときは東京にお願いするように調整している。だが、直してもまたぶつかって亀裂が入るというのが現状だ。

組合 スカート修繕を幕張車両センターでやりだしたのは5~6年前からだ。工場も退職者が増えて幕張に来れなくなってきてた。鉄板など最低限のものをもらって、見様見真似で始めた。はじめは、引っ張れば済むものだったが、どんどんひどくなっている。

軽いうちに修理しておけば、亀裂やスカート取替にならない。手間は少なくて済む。それを放置するから「亀裂修理を週2回やれ」なんてことになる。

会社 支社としても動物との衝突が多発している中で、なるべく対策したい。

組合 軽いうちに修理しておけば、職場の中で済んでいる話だ。しわ寄せはみんな現場だ。

会社 なるべくしわ寄せのいかない対策を考えていく。

組合 支社から「やれ」と言われれば、現場の担当者はやるしかないとなる。

会社 現場とのコミュニケーションを取りながらやっていく。

組合 スカート、取付部の補修について、大宮や東京との調整も計画的に行ってもらいたい。

○動物との衝突対策は急務だ


組合 衝突が増えたのはいつ頃からか。

会社 去年くらいからだ。特に今年は多い。8月は30件、9月もすでに21件発生している。

組合 スカート亀裂だけの問題ではない。乗務員もぶつかった動物を引き出すのも大変だし、生きていたら襲われる。ぶつかる箇所はだいたい特定できるはずだ。具体的な対策はあるのか。

会社 今は忌避剤散布や誘鹿剤設置を行っている。しかし、根本的解決になっていない。その区間とは別の場所に行ってしまう。列車走行中の散布ができないかというイメージはあるが、実現には相当な費用がかかる。

組合 イノシシにぶつかるとスカートはひとたまりもない。対策の徹底が必要だ。具体的な対策として、除草を行えば改善される。車体の強化も要求する。

会社 これだけ被害が出ているので何かしらの対策は必要だ。除草に関しては計画的にやっていく。

○構内は保安装置を付けないのが基本!?


組合 E131系について、なぜATS―SNを付けなかったのか。

会社 本線はすべてATS―Pになっていることと、車両センター内は保安装置を付けないのが基本だからだ。

組合 一番危ないのは構内だ。何のための保安装置なのか。ポイントも多く信号も複雑だ。幕張車両センターでは大きな事故があってSNを設置した。「構内は基本的に保安装置を付けない」というのはおかしい。ワンマン運転に関する団交で引き続き問題にしていく。

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