2021年12月8日水曜日

外注化阻止ニュース 第559号


「柔軟な働き方」会社の提案
職名・職種も廃止で兼業に
外注化の破綻で無謀な施策を促進

 JR東日本は今年5月、「現業機関における柔軟な働き方の実現について」と題する提案を出しました。現業機関では職名も職種の区分もなくして、1人の労働者にあらゆる業務を掛け持ちで行わせる内容です。
 運転士が車掌や駅員の仕事も兼ね、エキナカ店舗の商品の出し入れや管理職としてのデスクワークもする。携わる業務は日ごとに変わることも、1日のうち時間単位で変わることもあるというのです。
 さらに今年6月には、グループ会社での副業を認めるとの方針を出しました。その目的として「社外での多様な業務経験を通じ…新たなサービス・付加価値の創出につなげる」としています。
 東労組が業務融合化を認めて妥結した際に出した資料には、休憩時間や仮眠時間中に副業する予想図が描かれています。会社と東労組との間で「睡眠時間を削って副業しろ」という議論が行われているのです。

外注化の破綻で業務維持が困難に


 この無茶苦茶な施策の背後には、動労千葉が一貫して指摘きたように、鉄道業務の外注化の破綻があります。外注先となったグループ会社・関連会社では、あまりに賃金が低く労働条件が劣悪で、労働者が定着せず人員が確保できなくなっているのです。
 それに加えて、エルダー(定年退職後の再雇用)社員として外注先に出向していた国鉄採用者が大量に退職する時期が始まっています。このままでは鉄道業務が維持できないことが「業務融合化」の背景にあるのです。

駅員と乗務員の融合の背景

 その典型が駅業務です。近年の徹底した駅の外注化によって、〈駅員→車掌→運転士〉という養成ルートが崩壊したため、駅業務が成り立たなくなりました。
 そこでまだ外注化されていない唯一の現業であり、社員の約3割を占める乗務員をターゲットにして、「駅員と乗務員の融合」という無謀な施策が強行しているのです。


 こんな無謀なやり方には必ず矛盾があります。現場から声を上げれば必ず状況は転換できます。動労千葉に加入し、共に闘おう。

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