2015年12月10日木曜日

外注化阻止ニュース 第236号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka236.pdf


事故続発させるJRの外注化
過酷な連続昼夜勤務が命を奪った

 JRで重大事故が多発しています。『NHKクローズアップ現代』では「世界一の鉄道に何が/多発する事件・トラブル」 、『週刊東洋経済』
では「ここがおかしい!日本の鉄道」など特集が組まれています。
 特集では電化柱倒壊事故、東北新幹線・根岸線での架線切断事故などが取り上げられ「利用者の8割が不満」「事故は予防できた」「未必の故意」と指摘されています。11月30日には山手線の新型車両E235系がシステムトラブルでわずか1日で運行中止となりました。
 国土交通省「鉄軌道の安全に関する情報」は、JR各社ではこの十数年、列車走行距離百万㌔あたり平均で私鉄大手15社の約10倍の輸送障害事故が発生していることを指摘しています。

労災で労働者の命が奪われた

 こうした状況の中で労災事故によって多数の下請け労働者の命が奪われています。
 10月26日早朝、常磐線の取手―藤代間でレール交換を夜間作業で行った労働者2人が作業後に事務所へ戻る途中に交通事故で亡くなりました。事故後に明らかになった直前1週間の勤務状況(下表)は、昼夜連続勤務を5日間続け、さらに2日間の徹夜作業が重なっていました。
 昨年7月にも山梨・大月で同様のケースで1人が亡くなっています。JRによる外注化と工事費削減のために過酷な勤務が強制されているの
です。JR東日本の施設部長が出した文書『事故を防止するための留意点』では「運転者に対しては作業内容の配慮を行う」の一言だけです。

重層下請け構造

 JR東日本のもとで、1次下請けのパートナー会社のもとに孫請け・ひ孫請けが何層にも重なる重層的な構構造になっています。重層下請け構造による工事費の削減、労働条件の切り下げが事故多発の温床になっているのです。
 下請け労働者5人が列車にはねられ死亡した1999年の山手貨物線事故以来、JRは事故責任を免れるため「JR社員は現場に行くな」と指示してきました。昨年の川崎駅脱線事故からJR社員が工事に立ち会うようになりましたが、それでも事故の責任は下請けにあるとの態度を固守し続けています。

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