2018年11月29日木曜日

外注化阻止ニュース 第402号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka402.pdf


米アマゾン 時給1700円に
労働組合こそ世界の労働者が直面するテーマ

 ヨーロッパで起きたストライキや潜入取材記事などで過酷な労働環境が暴露された、世界一のネット通販企業である米アマゾン社は10月2日、米国の労働者35万人の最低賃金を時給15㌦(約1700円)に引き上げ、英国の労働者の賃金も引き上げることを発表しました。

世界中でストライキ

 数か月前から世界中の労働者が「アマゾンでの作業スピードが厳しく、労働災害も多く、倉庫では奴隷労働のようだ」と声を上げ始めていました。アマゾン社は世界で最も多く潜入取材の対象となっており、労働者はペットボトルで排尿することを強いられ、うつ病の発生率が異常に高いことなどが暴露されて いました。
 ドイツやポーランド、スペインのアマゾン労働者は劣悪な労働条件に抗議して、アマゾン最大のセールス日の6月にストライキを実施しました。

「奴隷労働は変わらず」


 アマゾン経営陣は今回の賃上げは譲歩ではなく、「わが社は批判に耳を傾け、何を目指すのか真剣に考え、業界の先頭に立つことを決定した」と自画自賛しています。
 しかし、米国の35万人の従業員に1700円の最低賃金を支給するのに必要な費用はアマゾン純資産の0・1パーセントにも満たないと指摘されています。
 賃上げ発表に対して現場で拍手はほとんどなく、「生活が苦しいので賃上げは受け入れるが、仕事のスピードがきついのでみんな会社を嫌っている。奴隷扱いされていると感じている」と記事は伝えます。あまりに離職率が高く、賃上げせざるをえない事情もあるのです。

労働組合こそが必要だ

 ヨーロッパではアマゾン労働者の多くが労働組合に入り、ストライキで多くの勝利を手にしていますが、米国ではこの巨大企業に要求を突きつけるに足る人数の労働者が労働組合にまだ入っていない状況です。日本のアマゾンも同じ状況です。
 ひどい労働環境を耐え、アマゾンから譲歩を引き出し、この巨大企業の中に一歩ずつ労働者の力を築くためには労働組合が必要です。

ニュースへのリンク