2015年6月11日木曜日

外注化阻止ニュース 第197号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka197.pdf


米アムトラック脱線事故
人員削減・安全設備なし
合理化と労働強化で大事故に!!

 アメリカ・フィラデルフィア市で5月12日、全米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車が脱線し、死者8人、負傷者200人以上の大事故が発生しました。

運転士に責任をおしつけるな!

 脱線したカーブでは、時速80㌔で通過すべきところを時速約170㌔で進入したとされています。そのため、事故の責任がすべて運転士にあるかのように報道されました。
 しかし、カーブには、本来は設置が義務づけられている列車制御システムが設置されていませんでした。
 議会が承認した予算が少なくコスト削減を優先したのです。
 もし安全装置があれば、自動的にブレーキがかかり、事故は起きなかったはずです。
 それどころか米議会は、事故の翌日にアムトラックへの予算を大幅に削減しました。設備の問題ではなく、あくまで「運転士の責任」としようとしているのです。

待機時間・休憩時間もカット

 また、この路線では1カ月半前にダイヤ改定が行われました。それによって、90分あった待機時間はなくなり、休憩時間もカットされました。長時間勤務も増やされ、13時間や16時間の勤務も多くなっていました。
 会社は待機時間削減で「300万㌦を節約できる」と言っています。当該の運転士は、この列車に乗務する前に30分の休憩をとっただけでした。米・機関士労組の支部代表は「新ダイヤで待機時間と休憩時間がカットされたことが事故の原因だ」と語っています。

ダイ改合理化に反対しよう

 この大事故は、利益を優先してダイ改合理化・コスト削減を行えば、鉄道の安全が崩壊することを示しています。JR東日本が進めるダイ改合理化・運転士への労働強化も、必ず大事故につながります。
 ダイ改合理化に反対し、定年延長と65歳まで働ける労働条件を確立しよう。

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