2015年6月15日月曜日

民営化と闘う日韓鉄道労働者共同声明



 新自由主義政策は、自らが生み出す矛盾をコントロールすることができなくなり崩れ落ちようとしている。いよいよ労働者の団結した力が時代の最前線に登場しなければいけないときが来ている。
 新自由主義が生み出したのは、生きる権利を奪われ、未来を奪われた膨大な非正規職労働者であり、格差と貧困の拡大、社会の崩壊であった。新自由主義は、公共交通・社会保障制度・教育・医療など、人が生きていくすべを破壊して暴れまわる力を生み出した。冷たいカネ勘定だけがすべてを支配するようになったのだ。それは韓国ではセウォル号惨事となって304人の高校生をはじめとする多くの生命を奪い、日本では尼崎鉄道事故となって107人の生命を奪った。
 金融自由化は世界を駆けめぐる投機マネーの氾濫を生み出し、バブルとその破綻が繰り返された。そのたびに雇用や賃金が破壊され、膨大な失業者が生み出された。しかも銀行や独占企業を救うために莫大な国家財政が注ぎ込まれ、財政破綻を生み出した。それを理由にさらに社会丸ごとの民営化や社会保障制度の解体が加速され貧困、民族抑圧や戦争を生み出した。
 新自由主義は、日本では1987年に強行された国鉄分割・民営化攻撃を突破口として社会全体をのみ込んで吹き荒れるようになり、韓国でも1990年代の後半から本格化し、社会の各部門はもちろん韓国の鉄道にも民営化と構造調整の嵐が吹きつけた。
 いま、「もうたくさんだ!」という張り裂けるような怒りの声が世界中に響いている。
 韓国労働運動は、民主労総結成から20年、多くの困難を乗り越えて力強く前進し、いま労働市場構造改悪や民営化攻撃に対してパククネ退陣を要求するゼネスト闘争の渦中にある。この情勢をきりひらいたのは2013年12月に行われた全国鉄道労組の23日間の民営化反対ストライキであった。「単一労働組合が起こしたストライキによって、民営化全般に反対する世論が形成されたという点で驚くべき事件だった」と報道されたとおり、その闘いは情勢を一変させる転機となったのだ。
 パククネ政権はこの闘いを恐れ、指導部の検挙、130人に及ぶ不当解雇、8600人の職位解除、数百億ウォンの損害賠償や組合財産の仮差押などの大弾圧を加えた。しかし私たちは一糸乱れぬ団結を守り抜いて「2次正常化」攻撃と鉄道民営化のための子会社転換、事業部制の導入を阻止するために力強い闘争を準備している。もしパククネ政権が新自由主義的攻撃を続けて押しつけて来るならば鉄道労働者たちは2013年を超える強力なゼネストで反撃するだろう。
 韓国民主労総は4・24の第一次ゼネストに続き、6月末から7月初めに第二次ゼネストを準備している。「反労働・反民主、腐敗した政権を終わらせる労働者のゼネスト――汎国民的大闘争、終わらせようパククネ! 行こうゼネスト!」がそのスローガンだ。
 日本における国鉄分割・民営化攻撃は戦後最大の労働運動解体攻撃として遂行された。20万人の国鉄労働者が職場を追われ、一旦解雇・選別新規採用方式の民営化を合法化した国鉄改革法を背景とした激しい労組破壊攻撃の中で、24万人を組織していた国労は4万人までに切り崩された。その2年後には総評も解散に追い込まれ、その後1500万人もの労働者が非正規職に突き落とされ、憲法改悪や集団的自衛権行使が現実化するその後の道筋が敷かれたのだ。
 しかし、動労千葉は二波のストライキをもって国鉄分割・民営化攻撃に立ち向かい、団結を守ってJRにのり込んだ。その後も30年に及ぶ解雇撤回闘争や業務外注化阻止闘争を貫いてJR体制を揺り動かしている。
 日本では極限的な業務外注化と労組破壊攻撃を軸とした第2の分割・民営化攻撃が開始されている。
 一方、安倍政権が改憲と戦争に突き進む事態の中、沖縄では積りに積もった怒りが燃え上がりゼネスト情勢が一気に煮詰まっている。大阪では「国鉄方式」の自治体丸ごと民営化を狙った「大阪都構想」が住民投票で否決された。
 私たちには、同じひとつの攻撃にさらされ、同じひとつの希望に向かって前進する労働者の力強い闘いの声が世界中に響きわたっているのが聞こえる。私たちは歴史の分岐点に生きている。最底辺へと落ち込んでゆく泥沼の競争の中に放り込まれ、侮辱されてきた労働者が誇りと団結をとり戻して立ち上がるときがやってきた。
 私たちは、闘いの道を歩み続けてきた鉄道労働者としての誇りをかけて、新自由主義という怪物を打ち倒す国境や産別をこえた労働者の固い団結をつくりあげたいと願い、自らその先頭に立つことを決意して、この呼びかけを発することを決断した。労働者の団結した闘いこそが歴史をつくり、社会を変革する力だ。全世界の労働者の力をひとつにつなげよう。ともに前進しよう。

2015年6月7日
全国鉄道労働組合ソウル地方本部
国鉄千葉動力車労働組合