2015年7月31日金曜日

外注化阻止ニュース 第209号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka209.pdf


外注化で大事故・倒産
『折れたレール イギリス国鉄民営化の失敗』

 イギリス国鉄の民営化は完全に失敗したと言われ、決定的だったのが2000年に発生したハットフィールド脱線事故です。『折れたレール―イギリス国鉄民営化の失敗』というタイトルで世界的に著名な書籍が出ています。

民営化で部門ごと外注化に

 イギリス国鉄は1994年に民営化され、設備部門と運行・運営部門がバラバラに解体されて民営化されました。
 レールトラック社は、民営化されたイギリスの鉄道網のほとんどの線路・信号機・トンネル・橋・踏切・駅を所有する企業でした。
 レールトラック社は、列車運行会社から線路使用料を受け取り、線路の保守作業や信号制御、電気設備など技術に関わる部門は軒並み外注化し、外注会社への作業の発注だけが主な業務でした。
 レールトラック社によって鉄道業務が極度に機能ごとに細分化された結果、外注会社間の複雑な契約関係や連携不足が生じ、ついにはレールトラック社には、技術的なことを把握できる人間がまったくいなくなってしまったのです。

レールの現状も把握できず

 その結果、レールトラック社は、どの路線に耐用年数が何年のレールが何本あるのかも分からなくなり、ついに2000年秋、レールがこなごなに砕け散る大事故を引き起こしたのです(ハットフィールド脱線事故=写真)。
 英国ではその前年も列車の正面衝突で31人が死亡する事故が発生。レールトラック社は01年、事故の損害賠償に耐えきれず倒産しました。

同じ道を進むJRの外注化

 民営化と外注化がいかに安全に打撃を与えるのか。これがイギリスの国鉄民営化の教訓です。JR東日本は他人事ではありません。
 JR東日本は、鉄道業務をバラバラに解体して、設備部門(保線・土木・建築・機械・電力・信号通信)を丸ごと外注化し、検修・構内業務や駅業務に拡大し、いずれは車掌や運転士の外注化も狙っています。
 イギリス国鉄の民営化失敗を本当に教訓化しなければなりません。JR東日本の外注化を止 めよう! JRは外注化をストップし、すべての労働者を雇用せよ!

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